■問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?!

以前書いたこととかぶりますが、「集団的自衛権は憲法違反だ!だから平和安全法制は憲法違反だ!」というのをまだちょくちょく耳にするので、改めて。

さて、タイトルの問題。
「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?!

結論からいうと、この答えは「集団的自衛権を行使してなにをやるかによる」です。
「集団的自衛権を行使して憲法に反することをやる」のであればそれは憲法違反ですし、「集団的自衛権を行使して憲法に反しないことをやる」のであれば憲法違反じゃありません。

ので、「集団的自衛権=憲法違反」ではありません。
そして、「平和安全法制で定められている集団的自衛権の行使」は憲法違反ではありません。
では、詳しく見ていきましょう。


★今日のハイライト★
・集団的自衛権の行使には、憲法違反のものと、憲法違反じゃないものとがある
・1972年に、政府は「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と答弁したが、このときは冷戦中だった
・今は冷戦もとっくに終わって、世界情勢も日本を取り巻く安全保障環境もまったく違う
・「憲法解釈が変わった」のではなく、「世界情勢が変わった」
・平和安全法制での「集団的自衛権の行使」はとても限定的
・「新三要件」を読めば「平和安全法制で定められた集団的自衛権の行使は憲法違反じゃない」ことが分かる
・平和安全法制は憲法違反ではありません
・そして憲法13条を考えれば、「平和安全法制を廃止する」ことこそが憲法違反です


……えー、今回も長文になりそうなので、先に「今日のハイライト」を作ってみました。
これ、あったほうがいいですか?ないほうがいいですか?
どっちなんだろ。

では、本題。
「集団的自衛権の行使は憲法違反かどうか」。

これを考えるために、まず憲法を見てみましょう。
武力に関することは、9条に定められています。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



このうち、武力に関するのはこちらです。

武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。



「武力(威嚇も行使も)は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄する」
です。

ので、単純に
〇国際紛争を解決する手段としての武力→憲法違反
〇国際紛争を解決する手段ではない武力→憲法違反じゃない
です。

そしてもひとつ。
憲法には「9条」以外にもたくさんあります。
安全保障というと9条ばかりが取り上げられがちですが、9条以外にも安全保障に関わる項目があります。
それは、「13条」です。

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。



ので、立法その他国政が、公共の福祉に反してないのに
「国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしない」
のは憲法違反です。

ここまでをまとめると、憲法は
〇国際紛争を解決する手段としての武力→憲法違反
〇国際紛争を解決する手段ではない武力→憲法違反じゃない
〇国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしない→憲法違反
と定めています。

では、次。
「集団的自衛権」とはなにか。
の前に、まず「自衛権」とはなにか。

【自衛権】
外国からの違法な侵害に対して自国を防衛するために緊急の必要がある場合、それに反撃するために必要な限度で武力を行使する権利。
(大辞林より)



自衛権は、国連憲章によって国連加盟国すべてに定められている権利です。
個別的、集団的に関わらず、自衛権はすべての国連加盟国が持っている権利です。
日本も自衛権を持っていますし、「自衛権を放棄する」という法制はありません。
日本も他国と同じく、個別的、集団的に関わらず「自衛権」を持っています。

が、「自衛権の行使」となると話は別です。
日本には憲法9条があります。
ので、憲法9条に反しないように自衛権を行使しなければなりません。
これは、個別的も集団的も同じです。
個別的、集団的に関わらず、憲法9条に反しないように自衛権を行使しなければなりません。

そして同時に憲法13条があります。
「国民の生命・自由・幸福追求権を尊重する」という13条を守るために、自衛権を行使しなければなりません。

再度ここまでをまとめると、

〇国際紛争を解決する手段ではない武力は、憲法違反じゃない(憲法9条)
〇国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしないのは憲法違反(憲法13条)
〇個別的、集団的に関わらず、憲法9条にも憲法13条にも反しないように自衛権を行使しなければならない

→憲法に反しないように、国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をし、国際紛争を解決する手段ではない武力で自衛権を行使する


となります。

では、「自衛権」のうちの「個別的」と「集団的」とはなにか。
「個別的自衛権」は、「自国を守るために、武力行使をする権利」です。
「集団的自衛権」は、「複数の国同士で助け合って守るために、武力行使をする権利」です。
……と、非常にざっくりな説明なので、「日本の自衛権の行使」として例を挙げてみます。

① X国軍が日本を攻撃しました。その攻撃を止めるために、自衛隊がX国軍に武力行使しました→個別的自衛権

② X国軍が日本を攻撃しました。その攻撃を止めるために、自衛隊がX国軍に武力行使しました。「日本への攻撃をやめろ」と、日本の同盟国であるA国の軍もX国軍に武力行使しました→個別的自衛権

③ X国軍が日本を攻撃しました。その攻撃を止めるために、自衛隊がX国軍に武力行使しました。「日本への攻撃をやめろ」と、日本の同盟国であるA国の軍もX国軍に武力行使しました。するとX国軍が「日本への攻撃を邪魔するな!」とA国軍を攻撃し始めました。X国軍からA国軍への攻撃を止めるために、自衛隊がX国軍に武力行使しました→集団的自衛権

④ X国軍がA国を攻撃し、A国軍がX国軍に武力行使しました。日本にはなんの影響もありませんが、A国は日本の同盟国なので、日本にもひょっとしたらひょっとするかもしれません。ので、X国軍からA国軍への攻撃を止めるために、自衛隊もX国軍に武力行使しました→集団的自衛権

ややこしいですね~。
では、解説。

①は「個別的自衛権」だとすんなり理解できますよね。
「自国を守るため」の武力行使なので、「個別的自衛権」です。

そして②。
「A国軍」が出てきたので、「お、集団的自衛権かな?」と思いがちですが、「個別的自衛権」です。
ただし、これは「日本の権利」として。
A国の権利としては、「集団的自衛権」です。
自衛隊は、日本を守るためにしか武力行使をしていません。
A国軍を守るために武力行使をしていません。
ので、日本の権利としては「個別的自衛権」です。

そして③。
ここでは、自衛隊がA国軍を守るために武力行使をしました。
ので、「集団的自衛権」です。

そして④。
②の逆バージョンですね。
②の「日本」と「A国」が入れ替わった形になっています。
ので、A国の権利としては「個別的自衛権」ですが、日本の権利としては「集団的自衛権」です。

いやー、ほんとややこしい。

とはいえ、先ほども書いたように、日本には憲法9条と憲法13条があります。
「憲法に反しないように、国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をし、国際紛争を解決する手段ではない武力で自衛権を行使する」
です。
ので、①~④のうち、やっていいこととやってはいけないことがあります。

ということで、「なにをやっていいのか、いけないのか」を、過去・現在の情勢から見ていきましょう。

ときはさかのぼって1972年(昭和47年)。
このとき、こんな政府答弁がありました。

「わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」

「なるほど、そうだろうな」と思います。
当時は冷戦中ですから。

第二次大戦後、世界は「アメリカを中心とする西側」と「ソ連を中心とする東側」の二つに分かれた冷戦状態に入りました。
この冷戦は、1989年の「ベルリンの壁崩壊」を経て、1991年の「ソ連解体」で終わりを迎えました。

この答弁が行われた1972年は、ベトナム戦争中でした。
日本と同じアジアのベトナムの地で、米ソの代理戦争の真っ最中でした。

またこの8年後、1980年にソ連でモスクワオリンピックが開催されましたが、このとき「西側」の多くの国がボイコットをしました。
ボイコットしなかった「西側」の国も、開会式の入場行進には参加しなかったり、自国の国旗を使わなかったりしました。
日本は「ボイコット」という選択をしました。
オリンピックに向けて練習を重ねてきた選手たちはその選択に納得できず、涙を流して記者会見をした選手もいました。

モスクワオリンピックの次の夏の大会は、1984年のアメリカ・ロサンゼルスオリンピックでしたが、このときはモスクワの逆となり、「東側」の多くの国がボイコットをしました。
オリンピックにまで冷戦が影響するような、そんな時代でした。

若い方は、この時代のことはピンと来ないかもしれません。
「冷戦」と「日本」がどう関係していたか……ぜひ社会の教科書を見たり、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんに聞いたりしてみてください。

アメリカとソ連が火花バチバチの冷戦時代。
この時代に、「西側」である日本が攻撃されるとしたら、それは「東側」からです。
なので当時、日本の国防は「北」が重視されていました。
ソ連に近い、北海道などの地域です。

もしこのとき、日本が攻撃されて自衛権を行使するとしたら……みなさんだったらどんな自衛権を行使しますか?

個別的自衛権は、「自国で自国を守るために、武力行使をする権利」です。
ソ連からの攻撃に対し日本が武力を行使するのは、「国際紛争を解決する手段」ではなく「日本を守る手段」で、憲法には反しません。

9条の
国際紛争を解決する手段としての武力→憲法違反
だけを考えれば、個別的自衛権の武力行使すらやらなくても別にいいんですが、13条では
国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしない→憲法違反
です。
ので、国民の生命・自由・幸福追求権を尊重するという憲法にのっとって、日本を守るための対処をしなければなりません。

一方、集団的自衛権。
ソ連からの攻撃に対し、日本の同盟国であるアメリカと助け合って守るために、武力を行使するとなると……?
例えば、「ソ連が北海道を攻撃しました」となったとき。

―ソ連軍の艦艇が、海から北海道を攻撃しました。
そこで日本は、その攻撃を止めるために自衛隊の艦艇を向かわせました。
日本にいる米軍の艦艇も、ソ連が北海道を攻撃するのを止めるために向かいました。
すると、ソ連軍の艦艇が「北海道を攻撃するのを邪魔するな」と米軍の艦艇を攻撃し始めました。
ので、米軍の艦艇を守るために、米軍の艦艇を攻撃するソ連軍の艦艇に、自衛隊の艦艇が武力行使しました。

この日本の武力行使は、「集団的自衛権の行使」です。
「日本を防衛している米軍の艦艇」を守るために日本が武力を行使するので。
これは「個別的自衛権」ではなく、「集団的自衛権」です。

一方これは、
国際紛争を解決する手段としての武力→憲法違反
につながります。
冷戦中なので、どんなきっかけであろうと「アメリカvsソ連」のドンパチに日本が加担すると、「国際紛争を解決する手段としての武力」につながっていきます。

ソ連軍が「北海道攻撃に邪魔な米軍を攻撃したけど、自衛隊に反撃されたからやーめた」とかになれば、「国際紛争を解決する手段としての武力」にまではならず、「日本を守る手段としての武力」で済むかもしれませんが。
しかしあの冷戦時代、ソ連が簡単に「やーめた」となってくれるとは考えにくいですよね。
まあ、ソ連軍もそれでやめるんだったら最初っから北海道を攻撃しないでしょうし。

こういった背景から、冷戦真っただ中の1972年に、「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と政府が答弁したのは、「なるほど、そうだろうな」と思います。
憲法9条を考えれば、そうなります。

しかし、憲法13条では
国民の生命・自由・幸福追求権を尊重に最大の尊重をしないのは憲法違反
です。

日本は、国民の生命・自由・幸福追求権を守らなくてはなりません。
そのために、自衛隊が「ソ連の北海道攻撃を止める」活動をするのですが、同時にそれは自衛隊じゃなくても、同盟国の米軍の活動でも「日本国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をする」は同じです。

「最大の尊重」ならば、個別的自衛権でも集団的自衛権でも、あらゆる手段で日本国民の生命・自由・幸福追求権を守る最大限の努力をしなければなりません。
しかし、その過程で集団的自衛権を行使した結果、米ソの戦争に巻き込まれてしまうと、「国際紛争を解決する手段としての武力」につながり、さらには「国民の生命・自由・幸福追求権を守れない」ことにつながってしまいます。

憲法9条と13条。
その狭間で、当時の日本は
「わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」
という選択をしました。
冷戦中という時代背景から、当時の日本は「個別的自衛権だけで日本を守る」という選択をしました。

そしてときは流れて現在。
冷戦もとっくに終わり、世界情勢は一変しました。
中国による日本や東アジア諸国領域への侵犯、北朝鮮の弾道ミサイル、ISILなどのテロ……現在の脅威は「冷戦」ではなく、こういったことになりました。
日本の国防も、「北」から「南」にシフトしています。
そのくらい、時代が変わりました。

ちなみに、政府が「集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」と答弁した1972年は、沖縄返還の年です。
戦後からそれまで、沖縄は「日本」ではなく「アメリカ」でした。
もちろん、尖閣諸島も「日本」ではなく「アメリカ」でした。

そして北朝鮮では、この1972年に憲法が制定されました。
それまで北朝鮮の首都は「ソウル」とされていましたが、この憲法で「平壌」と定められました。
それまで「首相」だった金日成が「主席」となり、今の北朝鮮の体制が作られ始めました。
もちろん、当時はミサイル開発や核開発どころではありません。

そのくらい、時代が変わりました。

もし今、日本が攻撃されて自衛権を行使するとしたら……みなさんだったらどんな自衛権を行使しますか?

個別的自衛権は、昔から変わらず憲法には反しません。
では、集団的自衛権。
日本が同盟国と助け合って守るために、武力を行使するとなると……?

現在の場合、集団的自衛権の行使は「国際紛争を解決する手段としての武力」と、「国際紛争を解決する手段ではない武力」のどちらもがあります。
「憲法9条に反する場合」と「憲法9条に反しない場合」のどちらもがあります。

例えば、「北朝鮮が東京に弾道ミサイルを撃つ」となったとき。
あ、仮に、の話ですよ。
ので、以下も「仮に」として読んでください。

―「北朝鮮が東京に弾道ミサイルを撃つ」となりました。
そこで日本は、北朝鮮から飛んでくる弾道ミサイルを大気圏外で破壊するために、自衛隊の艦艇を日本海に置きました。
日本にいる米軍の艦艇も、日本海に向かいました。
自衛隊の艦艇も、米軍の艦艇も、弾道ミサイルを破壊する準備を整えました。
すると、北朝鮮軍の部隊が「弾道ミサイルを破壊されてなるものか」と米軍の艦艇を攻撃し始めました。
ので、米軍の艦艇を守るために、米軍の艦艇を攻撃する北朝鮮軍の部隊へ、自衛隊の艦艇が武力行使しました。

えー、何度も言いますが「仮に」ですよ。
実際にどうなってどう対処するのかは細かい状況に寄りますから。

この場合の武力行使も、冷戦中のソ連の例と同じく「集団的自衛権の行使」です。
「日本を防衛している米軍の艦艇」を守るために、自衛隊が武力を行使するので。
これは「個別的自衛権」ではなく、「集団的自衛権」です。

しかし、これは「国際紛争を解決する手段としての武力」ではありません。
北朝鮮とアメリカは「冷戦中」でもなんでもなく、「日本を防衛している米軍の艦艇を攻撃する北朝鮮軍の部隊へ自衛隊が武力行使」は、「国際紛争を解決する手段としての武力」ではありません。

今後の可能性としていろ~~~んなケースを考えれば、「国際紛争を解決する手段としての武力」につながっていくこともあるかもしれませんが。
例えば、上記の「北朝鮮が東京に弾道ミサイルを撃つ」が、「アメリカvs北朝鮮の戦争中だったら、それは国際紛争につながっていく可能性も考えられるのではないのか」とか。
「アメリカvs北朝鮮」の戦争中に、北朝鮮が東京に弾道ミサイルを撃つ余力があるのかどうか知りませんが。
まあ、可能性としてはゼロではないですよね。

……ということで、現在は、集団的自衛権の行使は「国際紛争を解決する手段としての武力」と、「国際紛争を解決する手段ではない武力」のどちらもがあります。
「憲法9条に反する場合」と「憲法9条に反しない場合」のどちらもがあります。

〇国際紛争を解決する手段としての武力→憲法違反
〇国際紛争を解決する手段ではない武力→憲法違反じゃない

という憲法9条だけを見れば、「もーめんどくせぇから集団的自衛権の行使は全部NGにしようぜ!」って言っちゃいたくなるんですが、でも憲法には9条だけでなく、13条
〇国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしない→憲法違反
もあります。
どちらも守らなくてはいけません。

「今、アメリカと北朝鮮は戦争中だ。国際紛争を解決する手段としての武力につながっていく可能性も考えられなくはないから、弾道ミサイルが東京に撃ち込まれてたくさんの人が死んでしまってもしょうがない」
というのも、やはり憲法違反です。

「憲法9条違反だから平和安全法制を廃止するべき!」という憲法9条をよく理解していない方々がいらっしゃいますが、憲法13条を考えれば「平和安全法制を廃止する」ことこそが憲法違反です。

日本は、「国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重」をするために、そしてなにより国民や国土に被害が出ないように、最大限の努力をしなければなりません。
個別的、集団的に関わらず、自衛権をできるだけ使って被害が出るのを防がなくてはなりません。

冷戦中とは違い、ここ最近の脅威は「これって戦争というワケじゃないけど、でも平和かというとそうじゃなくない?」ということもたくさんあります。
新たな脅威に対しても、しっかりと「国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重」をしなければなりません。

憲法9条と憲法13条。
このどちらにも反しないように、自衛権を行使するにはどうすればいいか。
国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をし、かつ国際紛争を解決する手段ではない武力で自衛権を行使するにはどうすればいいか。

これらを満たすため、平和安全法制には「新三要件」というものがあります。
「新三要件」には、こう明記されています。

「新三要件」
(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと



「新三要件」は、「武力行使を可能とする要件」です。
個別的自衛権、集団的自衛権に関わらず、この3つの要件が満たされていなければ、日本は武力行使することはできません。
個別的自衛権でも集団的自衛権でも、武力行使するのは「新三要件」を満たす範囲のみです。

上~のほうで、個別的自衛権と集団的自衛権を解説するときに

④ X国軍がA国を攻撃し、A国軍がX国軍に武力行使しました。日本にはなんの影響もありませんが、A国は日本の同盟国なので、日本にもひょっとしたらひょっとするかもしれません。ので、X国軍からA国軍への攻撃を止めるために、自衛隊もX国軍に武力行使しました→集団的自衛権

と書きましたが、これは新三要件に反しています。
ので、この④はしてはいけません。

そして「北朝鮮が東京に弾道ミサイルを撃つ」の例で、
「アメリカvs北朝鮮の戦争中だったら、それは国際紛争につながっていく可能性も考えられるのではないのか」
というケースに触れましたが、もしこのような状況になったとしても、「国際紛争を解決する手段としての武力」にならないよう、新三要件を満たす範囲のみで、「国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重する」ための武力行使をします。

平和安全法制には、新三要件があります。
これで、憲法9条を守りながら、同時に憲法13条を守ることができます。
憲法を順守し、その上で日本の平和と安全を守ることができます。

1972年に政府が行った「集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」という答弁。
そして2016年に施行された、「集団的自衛権の行使を限定的に容認」する平和安全法制。

この2つから、「政府が憲法解釈を変えた!」という方々がいらっしゃいます。
「政府が勝手に憲法解釈を変えるんだから、政府が勝手にアメリカの戦争に参加するかもしれない!政府が勝手に徴兵制だって始めるかもしれない!」という方々もいらっしゃいます。

さらに細かい話をすれば、「集団的自衛権の行使」は、平和安全法制の「事態対処法」でのお話です。
なのに、平和安全法制の「重要影響事態確保法」や「国際平和支援法」を持ち出して、「集団的自衛権を行使容認したらアメリカの戦争に日本が参加する!そしたら徴兵制にもなる!」という方々までいらっしゃいますが、重要影響事態確保法や国際平和支援法に集団的自衛権の行使は関係ありません。
というか、そもそも重要影響事態確保法や国際平和支援法では武力行使は認められていません。

「事態対処法」とか「重要影響事態確保法」とか「国際平和支援法」とかなんのこっちゃ分からん方々もたくさんいらっしゃるかと思いますので、

世界一分かりやすい平和安全法制の解説書
http://okadamari.blog112.fc2.com/blog-entry-294.html

でお知らせした

月刊MAMOR
http://www.fusosha.co.jp/magazines/mamor/

の連載「岡田の軽キュラム」をぜひご覧ください。
さらっと宣伝入れましたすみません。
(事態対処法とか重要影響事態確保法とか国際平和支援とかに触れるのはもうちょい先の号ですが。でも続きモノなので、第1回からぜひどうぞ)

憲法や平和安全法制、国際情勢をちゃんと理解していなかったら、「集団的自衛権を行使容認した!政府が憲法解釈を変えた!政府が勝手に憲法解釈を変えるんだから、政府が勝手にアメリカの戦争に参加するかもしれない!政府が勝手に徴兵制だって始めるかもしれない!」と勘違いしてしまうのも無理はありません。
勘違いした人からそう教えられて、憲法や平和安全法制、国際情勢をちゃんと理解する時間がなかったら「そうなんだ!平和安全法制ってアメリカの戦争に参加するのも徴兵制もOKになるんだ!」と信じてしまうのも無理はありません。

でも、こうやって「正しい情報」を得ることができれば、「政府が憲法解釈を変えた」のではなく「世界情勢が変わった」と理解できます。
「平和安全法制で認めている集団的自衛権の行使はとても限定的」で、「平和安全法制は憲法違反ではない」と理解できます。
理解できれば、起こりもしないことをあれこれ心配したり不安になることもありません。

私は、若者たちに「正しくないこと」の心配に時間や労力を使って欲しくありません。
どうせ心配するなら、「正しいこと」にその時間や労力を使って欲しいんです。
そしてその解決策を模索して欲しいんです。
そっちのほうが、おひとりお一人の将来がより良いものになると思うので。

ときは更にさかのぼり、1910年(明治43年)。
この年、ハレー彗星が地球に接近しました。
そして「ハレー彗星から地球に有毒ガスが流れる」とか、「ハレー彗星が地球に最も近づく5分間は地球上から空気がなくなる」という噂が流れました。
「ハレー彗星の尾に含まれる水素が空気中の酸素と化合して、人類は窒息死すると天文学者が言っている」と報じた新聞もあったそうです。

それを信じた人たちは、5分間分の空気を蓄えるために自転車のチューブや氷袋などをたくさん買いました。
これらの需要が高まり、価格が高騰したということも伝わっています。
学校で5分間息を止める練習も行われたそうです。
「どうせ死ぬんだから」と全財産を使い果たす人もいて、歓楽街が大賑わいだったという話もあります。
ドラえもんでも、のび太くんのひいおじいちゃんが自転車のチューブを手に入れたくてもできなくて、のび太くんがタイムマシンで浮き輪を……という、この当時ことを描いた回があります。

さて、実際にハレー彗星が接近して地球はどうなったか……というと、みなさんもご存じのとおり、なんにも起こりませんでした。

「学者が言ったから」
「新聞に書いてあるから」
「先生がこう言ったから」

それを信じた人々は、不安な日々を過ごし、不必要な物を高値で買い、物を巡って争い、将来を見誤り、その結果大きな騒動に発展しましたが、なんにも起こりませんでした。

しかし、現代の私たちは「正しい情報」を持っています。
「正しい情報」を持っているので、ハレー彗星が地球に接近しても不安にはなりません。

1986年にも、ハレー彗星が地球に接近しました。
当時私は小学校2年生でしたが、当時の人々は「正しい情報」を持っていたので、1910年のような騒動は起こりませんでした。

「学者が言ったから」
「新聞に書いてあるから」
「先生がこう言ったから」

平和安全法制はどうでしょうか。
「正しい情報」は伝えられているでしょうか。

私たちは、さまざまな手段で「正しい情報」を得ることができます。
「正しい情報」を得るために、学ぶことができます。
昔とは違い、多くの学ぶ機会があり、なにが「正しい情報」なのかを考えることができます。
私たちが努力を怠らなければ、未来はもっと、いろんな方法でいろんな情報を得られるようになるかもしれません。

若い皆さんは、どうか
「学者が言ったから」
「新聞に書いてあるから」
「先生がこう言ったから」
などに振り回されないでください。

自分で調べて、自分で考えてください。
なにが「正しい情報」なのかを、他人にゆだねず、自分で判断してください。

「平和安全法制は憲法違反ではない」。
今回、私はこう書きましたが、これも「正しい情報」なのかどうか、ぜひ自分で調べて、自分で考えて、自分で判断してくださいね。


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■コメント

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [鈴木良実]

完全に読み切れていない素人の質問です。
憲法による国民の安全の保障と、9条の関係で一つ考えてみたいことがあります。
北朝鮮の拉致ですが、わが国がいわゆる「戦争放棄国」だから、彼らは安心して、仕掛けた。報復行動で、自国の安全が脅かされる、金XXが殺される、このような可能性を感じたとき、彼らはこのような、行動ができたでしょうか?
「平和憲法だから、戦争しないで済む。」
この裏側に、
 「平和ボケ国家だから、拉致されて対応できなかった」
という歴史評価の可能性はないでしょうか?

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [691]

別に岡田さんに読まれなくても良いからBLOGOSのコメントを復活させて欲しいと思ったり……

それはさておき、

>・集団的自衛権の行使には、憲法違反のものと、憲法違反じゃないものとがある

「集団的自衛権の行使」それ自体が「憲法違反」である(例外なく憲法違反)との考え方も可能。

>・「憲法解釈が変わった」のではなく、「世界情勢が変わった」

憲法の条文自体が変わっていない以上は「世界情勢が変わった」と言われても「だからどうした」としかならない。
「世界情勢が変わった」ことに応じて「憲法解釈を変えた」とする方が自然である。

>・そして憲法13条を考えれば、「平和安全法制を廃止する」ことこそが憲法違反です

「憲法13条」があろうと「憲法9条に違反しない範囲」での幸福追求権の尊重で良いとも言える。(13条でも「最大の」尊重としかない)

憲法9条だけではなく13条も根拠とする場合、

>「もーめんどくせぇから集団的自衛権の行使は全部NGにしようぜ!」

と言われるように

>国際紛争を解決する手段ではない武力→憲法違反じゃない

という論理自体が現実的ではないという見方も出来るのではないか。

自衛隊も安保法制も必要だと思うけど、それが「合憲」かと言われると少々無理筋ではないか(論理のアクロバットを駆使して何とか「違憲ではない」と言える程度のものではないか)と思うので、この記事の論理も若干ゴリ押し気味だと思う。

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [GW]

>691さん。
>「集団的自衛権の行使」それ自体が「憲法違反」である(例外なく憲法違反)との考え方も可能。

なぜ例外なく憲法違反なのでしょうか。この考え方を可能とする根拠はどのようなものでしょうか。

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [691]

>GWさん

そもそも

>国際紛争を解決する手段ではない武力→憲法違反じゃない

という考え方自体がごまかしではないかということ。
憲法学者の半数が自衛隊は違憲と考えているなんて話もある様に少なくともそういう考え方もあり得るでしょう。

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [GW]

>691さん。
もう少し踏み込んでお答えいただきたいです。憲法9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」であり「国際紛争を解決する手段としては」を排除するお考えの方がごまかしではないかと思うのですがいかがでしょうか。

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [mikoinrp]

この問題について、私は以前ブログに書きました。お読み下さると大変光栄です。
http://blog.livedoor.jp/mikoinrp/archives/4836073.html
基本的に私は自民党支持なので、個々の具体的な結論は政府のいう所を否定しません。
しかし、「自衛権」という概念は、国を守る権利と言う意味しかなくて、そこから許容される行為の範囲や限界を導くというのは無理な話なのです。元々憲法9条は、自衛権を否定するという規定なのです。「前項の目的を達するため」という言葉を取って眺めてみてください。すると憲法9条は、まるで敗戦国が懺悔のためにに押し付けられたかのように見えてくるのです。それに疑問を呈した委員の意見を受けて「前項の目的を達するため」と入れ、日本が自ら進んで積極的に戦争放棄の意思を表明するのだ、と受け取れるようにしたものです。

■早川忠孝さんが記事かいてますよ [えるもーどi]

はじめまして
おじゃまします
m(__)m

ブロゴスでもお馴染み

早川忠孝さんが、岡田さんの記事を読んでブログを書いてますよ

アメブロ
早川忠孝の一念発起・日々新たなり  通称「早川学校」

2016/05/06 11:56
「お、憲法13条を持ち出して集団的自衛権行使を正当化するのか」
http://ameblo.jp/gusya-h/entry-12157495406.html

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [TYPE-STAR]

岡田真理さんのブログを発端に予備自衛官補に応募して、
合否通知を待つ者です。国防の重要性は理解するつもりですので、
予備自補にも応募しているわけですが、
今回のテーマである安保法制の議論においては、
政府・与党の説明が不十分であると感じている方ですので、
もし可能であれば、
今後もこのテーマについてもう少し掘り下げたご見解を頂戴したいです。
今回のエントリに関して言えば、
冷戦収束前の政府・内閣法制局の憲法解釈を180度転換したことに対しては、
過去の見解が誤りであった、もしくは、想定していた状況が変わったために見解も変わったと言うような説明がないと一般の国民は政府の見解がころころ変わっているとしか理解できないと思います。
また、自衛権の行使事例④は法制上有り得ないと書かれてますが、
少なくとも解釈を好き勝手に変えた(様に見える)状況を踏まえては、
新三要件の①で触れられているわが国の存立が脅かされ~を
誰が、どういった状況下で判断するのか?が明確でなく、
内閣・政府が信用できない限り、
国民の間で不安感が消えることは無い様に思います。
この部分に関しては、軍事に関わる部分ですので、
少なくとも想定条件を表向きには明言できないかもしれません。
であれば、国家の存立危機自体と時の政府が判断したとして、
1ヶ月以内に国会承認を得ない限り、
その判断は無効となるような規定を追加すべきかと思います。
(自分がその規定があることを知らないだけかもしれませんが…)
実際、数年前のイラク戦争では、大量破壊兵器の潜在有無などの誤った情報に基づいて時の政府は判断し、米国の開戦を支持しておりますし、自衛隊派遣を決定しました。
つまり、軍事面におけるインテリジェンスの機能などにおいて、
日本政府に主体的に判断できる材料の入手能力・機能が乏しいと認められる現状においては、アメリカの戦争に巻き込まれる・時の政府の思いのままであると言われてしまうのではないでしょうか? 
こういった状況下で、憲法との整合性を維持するためであれば、
今回の安保法制を時限立法とし、
その間に憲法改正を行うという進め方のほうが王道の気がします。
;理想論と仰るかも知れませんが。

■モスクワオリンピック [えるもーどi]

モスクワオリンピックボイコットの原因はソ連によるアフガニスタン侵攻です

侵攻になってますが、これはソ連がアフガニスタン政府の要請に対し集団的自衛権を行使したものでもあります

さて岡田さんなら自衛と侵攻、これをどう解釈する

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [691]

>GWさん

>もう少し踏み込んでお答えいただきたいです。

私個人としてはこの問題は岡田さんの様に「合憲」と言い切れるようなものではなくせいぜい「違憲ではない」と言える程度のものでしかない(だからこそ早く改憲してスッキリさせた方が良いと思っています)と考えています。
それは結局のところ専門である憲法学者の中でも「違憲」であると言われるくらい意見が分かれる問題であるからということになります。とりあえず「合憲」とズバリと言い切れる問題ではないということですね。

もう少し言えば岡田さんはそれ以外ならOKと区別している「国際紛争を解決する手段」についてそんなにきちんと区別することは可能なのかという疑念ですね。
そもそも「国際紛争を解決する手段」の定義というか解釈すら分かれる上に、ケースとして「国際紛争を解決する手段」かどうかも分けることは可能なのかということです。

全く「踏み込んで」いなくて申し訳ないですが、私としては「集団的自衛権を行使してなにをやるかによる」という以前の「そもそも何もしてはいけない」をクリアし切れているとは言えない、というかそもそも明確にクリアできるなら問題となっていない、結局のところ多様な説の一つというのにとどまるものでしかないのではということです。

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [し~ろぐ]

日本の自衛権は認められない可能性のほうが高いと思う。
たぶん、中国は拒否権を発動するかも。
そりゃ、小さいことを大きく膨らますのが得意だからね。
必要限度が決して小さくはないと思う。
たぶん、大国同士は直接的にはケンカしないから、落とし所を探るだろう。
もう、自衛権の行使じたい憲法違反かも。
戦後、日本が自衛権を行使したことがあるの?
竹島と北方領土を武力で奪還してもよくね?
でも嫌だよね?
たぶん、今後も個別的集団的自衛権の行使はないと思う。
日米安全保障条約も発動されることないよ、たぶん。米軍帰っちゃうかもだけど。
あるとしたら、抑止政策の失敗かな。

うん、だから日本の個別的集団的自衛権の行使は憲法違反だね。
いや、自衛隊員が国家公務違法・自衛隊法違反に問われるようなことがあれば憲法違反にしないとダメかも。
最高裁判断で参考になる判例があればいいけど、自衛権の行使については判断さけるかも。

BLOGOSに帰還したらどうよ?

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [チャオ]

いいかげん、デマを流すのは止めにしませんか?

安保法制の正当性を証明するために【こじつけ】理論を繰り返している様子は、デマを流布しているようにしか見えない。

言っても無駄かもしれないけど、気付いた点や、疑問に思った点をコメントさせてもらうと、

①憲法13条は「国家(日本政府)が、国民の権利を侵害してはならない」と規定しているだけであって、「自衛権を行使してこれを守れ」と言っている訳ではない。

安倍政権は、憲法13条も根拠の一つに挙げて『憲法が必要な自衛措置を禁じているとは解されない』としているが、『集団的自衛権を行使しない場合は憲法13条違反』とまでは言ってないはず。

私が気付いてないだけで、もしそんな事を言っていたのだとしたら、それは上記の『国家が遵守しなければならない義務』を『侵略してくる勢力から守らなければならない義務』に置き換えただけの、詭弁に過ぎない。

そうではなくて、貴方(岡田真理氏)が勝手に『憲法13条も安全保障に関わる項目』と思っているのなら、それは岡田氏の勘違いでしょう。

歴代政権の憲法解釈では、憲法13条とは関係なく、『独立国である以上、当然身を守る権利がある』として、自然発生的な権利として、日本は自衛権を持っていると解釈されている。
(守るべき権利の一例として、憲法13条で規定された権利を例に挙げている閣議決定は存在するが、憲法13条自体が自衛権を規定しているとは言ってない)

※参考
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC9%E6%9D%A1#.E7.AC.AC9.E6.9D.A1.E3.81.AB.E9.96.A2.E3.81.99.E3.82.8B.E6.9C.89.E6.A8.A9.E8.A7.A3.E9.87.88


②歴代政権(安倍政権は除く)の憲法解釈では、自衛戦争は違憲、自衛行為は合憲、在日米軍は自衛隊と同等と解釈されている。

歴代政権の解釈では、自衛戦争(自衛のために行う戦争。日中戦争やイラク戦争など)は憲法で禁止されているが、自衛行為(攻撃してきた勢力を撃退する事)までは禁止されてないとし、自衛隊も、あくまで自衛行為を行うための組織として発足している。

集団的自衛権は、国際的な概念で言えば、複数の国家が軍事同盟を結んで相手国まで防衛する事を指しているので、これは日本を攻撃してきた勢力を撃退する自衛行為(専守防衛)の範囲を超えているので、従来の憲法解釈では違憲と見なされていた。

尚、日米同盟に限っては、日本の事情を配慮して軍事面だけ片務契約となっており、また在日米軍は自衛隊と同等と見なされているので、憲法解釈の枠内に留まっているとされていた。

ちなみに、国内の在日米軍が攻撃された場合は、個別的自衛権で対処可能。(1968年佐藤首相答弁)
公海上で日本を防衛する在日米軍が攻撃された場合も、個別的自衛権で対処可能。(1975年吉国法制局長官答弁、1983年中曽根首相答弁、1983年夏目防衛庁防衛局長答弁)

ただし、同じ公海上でも、日本の防衛と関係のないところで米軍艦船が攻撃された場合は(例えば邦人輸送中に攻撃を受けた場合や、演習中に米軍が攻撃を受けた場合など)、日本への攻撃に該当しないので援護はできないとされていた。
(ちなみに、安倍政権はこれを集団的自衛権で対処しようとしており、安倍政権自身は否定しているが、それは日米安全保障条約の双務化にも繋がるので、本来ならどう解釈しても改憲が必要)

以上の点を踏まえて言わせてもらえば、まず「自衛権の行使」の例として挙げている①②③④のうち、②と③はほぼ同義。
②のケースで、A国の軍がX国軍を攻撃して、X国軍が反撃しない訳がないから。
③のケースで、X国軍が反撃するのはA国の軍に対してであって、X国とA国が直接戦争を開始する可能性は極めて低いから。(国連憲章で戦争行為は禁止されている)

ついでに言えば、X国が日本を攻撃してくるケースも、現実的にはせいぜい局地的な領土紛争しか起こり得ない。(国連憲章で侵略行為は禁止されている。領土紛争は、お互いに相手が侵略したと言い張れば、一応成り立つ)
さらに言えば、領土問題さえ解決すれば、日本が憲法9条を掲げている限り、日本が攻撃される可能性はほぼなくなる。(法的に相手がつけ込む隙が無くなるので)
中国ガー、北朝鮮ガー、抑止力ダーと騒いでいる連中は、頭の中の国際情勢が戦前のままでストップしている連中。

A国が在日米軍の事を指すのなら、従来の憲法解釈では②と③は個別的自衛権に該当する。
何故なら、日本を守っている在日米軍は、従来の憲法解釈では自衛隊と同等と見なされているから。
尚、安倍政権のみ、②と③は集団的自衛権に該当すると言い張っている。

平和安全法制の存立危機事態は、その文面を額面通りに受け取れば、④のケースに該当する。
何故なら、日本と密接な関係にある国が攻撃されただけで、日本の存在が脅かされたと判断した場合は武力を行使できるから。
尚、安倍政権は『他国を防衛するための意図ではない』と説明しているが、平和安全法制のどこにもその事は記載されてない。

もし岡田氏が、日本を防衛している米軍艦船を守る行為(②と③のケース)を集団的自衛権だと思って集団的自衛権に賛同しているのなら、その考えは間違っているので改めた方がいい。

岡田氏も記事の後半で④のケースを「違憲」だと指摘しているが、安保法制反対派が指摘しているのも、まさにその事。
安保法制反対派は、存立危機事態の定義が曖昧で、解釈次第で④のケースに該当すると指摘している。

安保法案審議の説明では、存立危機事態の例として、安倍首相はホルムズ海峡の機雷除去を例に挙げ、その後取り消した。
(発言を翻して、存立危機事態ではなく海外派遣の話だと言い出した)
中谷防衛大臣は9.11テロ事件を例に挙げ、その後取り消した。
そして、今度は、従来の憲法解釈では個別的自衛権と解釈されていた「アソウさんの例(②③のケース)」を例に挙げて、「これは集団的自衛権であり、存立危機事態に該当する」と言いだした。
こんな支離滅裂な説明が繰り返されたにもかかわらず、存立危機事態の文面自体は修正されなかった。

これを信じろと言う方が無理。


③「冷戦」に関する話は、荒唐無稽で意味が判らない。

そもそも「冷戦」の意味が判っているのか?

冷戦とは、資本主義(西側陣営)と社会主義(東側陣営)という2つの相容れない経済システムが、互いの存亡をかけて勢力拡大を競い合っていた時代の事を指している。(西側陣営にとっては資本主義の危機。東側陣営にとっても社会主義の危機)

ほとんど交流が無い状態で対立しており、当時の日本から見れば、今の北朝鮮みたいな国が世界の半分近くを占めていた時代であって、お互いに相手が何を考えているか判らない状態の中で極度の緊張状態が続いていた。
(韓国の旅客機がコースを外れてソ連領内に入っただけで撃墜されたり、ベルリンの壁を越えようとして何人も命を落としたり、ソ連のミグ戦闘機が亡命目的で三沢基地に強硬着陸したり、核兵器を搭載した戦略ミサイル原潜が世界中に配備されていたり)

念のために付け加えるが、「冷戦」自体は、武力を行使した戦争行為でも、国際紛争でもない。

なので、何故冷戦を根拠に1972年の閣議決定を「なるほど」と納得するのか、何故ソ連が反撃した場合だけ国際紛争に該当すると考えるのか、その理由(考え方)が判らない。

考え方が判らないので、文面だけで指摘させてもらうと、

> ―ソ連軍の艦艇が、海から北海道を攻撃しました。
> (中略)
> 「日本を防衛している米軍の艦艇」を守るために
> 日本が武力を行使するので。
> これは「個別的自衛権」ではなく、「集団的自衛権」です。

→当時の憲法解釈では「個別的自衛権」

> 冷戦中なので、どんなきっかけであろうと「アメリカvsソ連」
> のドンパチに日本が加担すると、
> 「国際紛争を解決する手段としての武力」につながっていきます。

→つながらない。この例では日本にとっては単なる自衛行為に過ぎないので。
これは、今の時代で、相手を北朝鮮に置き換えたとしても同じこと。

それ以前に「国際紛争を解決する手段」の意味が判っているのか?
米ソの戦争に対して日本が【国益】を目的に参戦したら「国際紛争を解決する手段としての武力」に該当するが、攻めてきたソ連に対して日米が【防衛】を目的に対処する行為は単なる「自衛行為」。
それがきっかけでアメリカとソ連の戦争が始まったとしても、日本はあくまで防衛目的で対処すればいいだけの話。
集団的自衛権とは全然関係のない話。

> こういった背景から、冷戦真っただ中の1972年に、
> (中略)
> 憲法9条を考えれば、そうなります。

→「国権の発動として行使することなるから違憲」と言っているのであって、「冷戦が理由」とは一言も言ってない。

> 日本は、国民の生命・自由・幸福追求権を守らなくてはなりません。
> (中略)
> その過程で集団的自衛権を行使した結果、
> 米ソの戦争に巻き込まれてしまうと、
> 「国際紛争を解決する手段としての武力」につながり、
> さらには「国民の生命・自由・幸福追求権を守れない」ことに
> つながってしまいます。

→「国民の生命・自由・幸福追求権」は侵略行為から守るべきだが、これは憲法13条とは直接関係ない話。
「最大の尊重」とは、「日本政府が国民の権利を最大限尊重しなければならい」という意味であって、自衛権とは直接関係ない話。

仮に、自衛のために最大の尊重をする義務があると仮定しても、何でもやっていいという訳ではないでしょう。
普通は『憲法に違反しない範囲』という制約が付くと思うが、だったら違憲と解釈されている集団的自衛権は、改憲でもしない限り、この義務を果たすための条件に含めてはならなのではないか。

> 冷戦中という時代背景から、当時の日本は
> 「個別的自衛権だけで日本を守る」という選択をしました。
> (中略)
> 現在の場合、集団的自衛権の行使は
> 「国際紛争を解決する手段としての武力」と、
> 「国際紛争を解決する手段ではない武力」のどちらもがあります。
> 「憲法9条に反する場合」と「憲法9条に反しない場合」の
> どちらもがあります。

→この意味がまったく分からないのだが(こんな理論は聞いたことも無い)、冷戦を国際紛争だと勘違いしているのか?
因みに、日本が個別的自衛権を選んだのは、集団的自衛権が憲法で禁止された「国権の発動たる戦争」に該当するから。

当時は「冷戦」だったので、常任理事国の不協和音により国連が十分に機能してなかったから、世界の国々は国連が当てにならないと判断して、独自に「集団的自衛権」による防衛を選んだ。(北大西洋条約機構、ワルシャワ条約機構、米韓相互防衛条約…)

日本も「冷戦」があったから、個別的自衛権だけでは心もとないと判断して、集団的自衛権に基づく軍事同盟「日米安全保障条約」も選んだ。(ただし軍事面は片務契約なので、日本での扱いは個別的自衛権)

逆に冷戦が無ければ、日本は個別的自衛権のみで対処していた可能性が高い。

誰が言っていたのか知らないが、『冷戦だから個別的自衛権を選んだ』というのは事実誤認のデマ。(実情はその逆)
自衛隊関係者なら、それぐらい判りそうなものだが……


この「冷戦」の実情だけを考えても、今の世の中で集団的自衛権が必要ない事は一目瞭然でしょう。

集団的自衛権(北大西洋条約機構、ワルシャワ条約機構、日米安全保障条約…)は、いわば冷戦が生み出した過去の遺物。
(冷戦が無かったら、おそらく存在しなかったはず)

冷戦終了とともに、いずれの軍事同盟も、解体されたり、規模が縮小されたりしている。
(北大西洋条約機構のみ加盟国が増えたが、これは旧ワルシャワ条約機構の加盟国が加わっただけで、それぞれの加盟国の軍事費(GDP比)は大幅に削減されている)

安倍政権は、北朝鮮や中国の危機を煽って、集団的自衛権(日米安全保障条約)にこだわっているが、これは時代錯誤の非常にナンセンスな外交政策。
北朝鮮は別として、少なくとも中国はアメリカの敵ではない。
中国は、政治面ではまだ共産主義が残っているが、経済面では資本主義であり、同じ資本主義同士としてアメリカと強く結びついている。

日本でしきりに中国脅威論を煽っている連中は、単に「尖閣」を中国に取られまいとして騒いでいるだけ。
(本気で抑止力と騒いでいる者は、もっと始末に負えない、単なる馬鹿)

だが、いくら日米安全保障条約を強化しても、領土紛争程度でアメリカが中国との武力衝突のリスクを冒す可能性は低い。
(日本が侵略されたわけではないのだから。日本にとっては侵略でも、第三者から見れば単なる領土紛争)
朝鮮戦争やベトナム戦争の時も、大国同士は直接の武力衝突を恐れて代理戦争に終始していた。


④北朝鮮のミサイルに関する話も、歴代政権の憲法解釈では「個別的自衛権」と見なされている。

私も安倍首相の説明の時には騙されたが、公海上で日本を防衛する在日米軍が攻撃された場合に、これを自衛隊が守る行為は、従来の憲法解釈では個別的自衛権に該当するとのこと。(1975年吉国法制局長官答弁、1983年中曽根首相答弁、1983年夏目防衛庁防衛局長答弁より)


⑤憲法13条は「基本的人権の尊重」の条文なので、平和安全法制を廃止しても13条違反にはならない。(というか関係ない)

憲法13条は「基本的人権の尊重(厳密には包括的基本権)」に関する条文であって自衛権とは関係ない。
なので平和安全法制を廃止しても、憲法13条には抵触しない。

他にも、憲法9条と憲法13条を兼ね合わせてユニークな持論を展開しているようだが、前提を見誤っているので、ほとんどが間違い。


⑥「新三要件」

上の方でも書いたが、平和安全法案反対派が主に懸念しているのは「存立危機事態」。
岡田氏が例示した④のケースが「存立危機事態」に該当することを懸念している。

なので、④のケースが「存立危機事態」に該当しないと思っているのなら、その根拠を示すべき。
(13条の話は論外)

■本題からそれますが [一般人]

今回の皆さんからのコメントは、大変勉強になります。一方で、先日、過去の国会中継を観たのですが、あれだけ安保法制に反対していた民主党(当時)が、法制成立後「朝鮮半島有事の際は、自衛隊が韓国を助けるため、派兵しますよね。できますよね!」と何度も首相に同じ質問を繰り返し、その都度、首相は「9条に違反するので、許されない。極めて厳格に判断すべきである」との趣旨の回答を繰り返していました。今般、民進党(日本)は、廃案を主張するのでしょうか。私は民主・民進党的態度を全く信用できません。嫌悪感…いや、それを越える感情に近づいています。

■To 本題からそれますが [チャオ]

>一般人 さん

民主党(当時)の懸念は当然でしょう。
存立危機事態の曖昧な文面を見れば、当然、朝鮮有事の際に邦人保護の名目で韓国に自衛隊を派遣する事も起こり得る。

安保法案審議の時の説明でも、安倍首相の答弁でも否定されていたが、いずれも『総合的に判断して』という曖昧な回答に終始していた。

現状の明確な歯止めが無い状態では(議会の判断による歯止めではなく、文面による歯止め)、例え安倍政権は「派遣しない」と判断しても、その時の権力者や、与党が大多数を占めている議会が、どう解釈するかは誰にも判らない。

これは、台湾有事の祭にも同じことが言える。
特に台湾有事に場合は、中国本土にも大勢の邦人が存在するから、朝鮮有事の時よりも事情が複雑。

こんな感じで、平和安全法制は至る所が隙だらけで、時の権力者によって好きなように解釈される可能性を秘めている。

■To 本題からそれますが [チャオ]

>一般人 さん

上のコメントは私の早とちりでしたので取り消します。

申し訳ありませんでした。

動画を見たが、この件では、韓国を助けるための派兵を懸念している民主党の言い分の方がおかしい。

■そうではなくて… [一般人]

返信して頂いた方へ。私が言いたいのは、民主党(現民進党)の主張が支離滅裂に感じたということです。質問の趣旨が「韓国への派兵基準を緩いものとし、首相が可能性があると言ったとたんに、徹底的に吊し上げる、又は韓国の国益のため、何とか誘導したい」ではなかったか?と言うことです。首相の答弁は適切だったと思います。いや、あのように答弁するしかないと思いました。

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [チャオ]

>一般人 さん

私は支離滅裂とまでは思いませんでした。
(派兵の件だけ違和感を感じたが)

今回は指摘ミスだったようですが、民主党の指摘は安保法制反対派(正確には憲法解釈がおかしいとか、安保法制に不備があると指摘している連中。安全保障の法整備を行うこと自体に反対している訳ではない)の誰もが懸念している内容だと思いますよ。

民主党議員は、誘導ではなくて、そういう事も有りえると言いたかっただけでしょう。

これを誘導とか韓国の国益に加担と言うなら、逆に安倍政権のやり方に反感を持っている側から見ても、『与党はちゃんと説明してない』とか『GHQに対する被害妄想から集団的自衛権の行使に固執している』とか『GHQの洗脳を解くために改憲したがっている(実際に、日本が弱体化したのは個人主義が蔓延したせいで、これはGHQが憲法を使って洗脳したからだと言って、憲法草案で「個人の尊重」を「人の尊重」に変更している)』とか、色々と言い分がありますよ。


>岡田 さん

しつこいようで、申し訳ないですが、
私が最初のコメントで指摘した④のケースですが、もしこれが「他衛を目的とした集団的自衛権」を指しているのでしたら、それは新三要件には該当しないので、④に関しては私の指摘ミスでした。

申し訳ありまんでした。

私が言いたかったのは、日本の領域の外(公海上)で、日本が直接攻撃された訳でもないのに、アメリカ軍を守る為に武力を行使するケース(邦人を輸送中のアメリカの艦船を守るケースなど)が憲法違反(改憲が必要)だということでした。

⑤ X国軍が日本と密接な関係にあるA国の軍を攻撃しました。日本が攻撃されたわけではありませんが、日本にもひょっとしたらひょっとするかもしれません(存立が危ぶまれるかもしれません)。なので、X国軍からA国の軍への攻撃を止めるために、自衛隊もX国軍に武力行使しました→集団的自衛権

■Re:問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?! [チャオ]

しつこいようで申し訳ないが、再度撤回。

>一般人 さん

先のコメントでの撤回宣言は撤回します。

やはり民主党の指摘(懸念)は正しい。

貴方の「9条に違反する」という言及に惑わされてしまったが、よく考えたら、憲法9条で認められた(正確には禁止されてない)自衛行為における「武力行使」の条件を定めたのが「三要件」だった。

なので、三要件は憲法9条の一部(正確には憲法9条などを基にして作られた法律の一部)であり、別途9条が歯止めになっている訳ではない。

実際、安倍首相も、憲法9条ではなく、新三要件で総合的に判断するという、曖昧な説明に終始していた。
(つまり、総合的な判断次第では、日本の存立危機事態と判断する可能性もあるという事)

通常、憲法とは、国家全体に対する根本規範を定めたものであり、どちらかというと『こうあるべき』とか『こうでないといけない』といった感じの倫理規定(罰則を伴わない約束事)のような側面が強く、かつ遵守しないといけない対象も権力者や国家公務員である条文が多い(立憲主義)。

これに対し法律は、社会の秩序を守る為に、憲法を基にして国家権力が国民に対してルールを定めたものであり、通常はブラックリスト形式で、罰則を伴う禁止事項を規定していることが多い。

憲法は「国民主権」に則って制定されるので、その改正手続きは、国民の大多数が本当に必要としている事を前提に、権力者に都合よく変更されないように、最大限の注意を払う必要があるが、

これに対し法律は、【憲法に違反さえしていなければ】比較的容易な手続きで制定できる。

だが、今回の平和安全法制は、新三要件とか、集団的自衛権の解釈方法など、いくつかの個所において、専門家のほとんども指摘している通り、明らかに憲法に違反している。

法律が憲法に違反している場合は、憲法が優先されれるので法律は無効となる。
どうしても、その法律が必要な場合は、憲法を改正する必要がある。
逆に言えば、理由(法律制定要件)もないのに、思惑(安倍政権が主張するイデオロギーなど)だけで、勝手に憲法を変更することはできないという事。

私もうっかり惑わされかけたが、新三要件は、解釈次第では、邦人保護の名目で朝鮮戦争に参戦する可能性もあり得る。
これは、先の日中戦争における戦争の動機とほぼ同じ。

例え安倍政権にその意図が無くても(これも平和安全法制の曖昧な文面を見れば、かなり疑わしいが)、将来の政権がそういう風に解釈するかはわからない。

平和安全法制反対派が、「戦争法案」だといって再三に渡って変態しているのも、こういった点を指している。


> 岡田 さん

直前のコメントは、再度修正します。

やはり、存立危機事態は、解釈次第で④のケースも含まれ得る。

以上

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■それは個別的自衛権です。 [たく]

とても丁寧に議論を進められていてわかりやすかったのですが、1つ誤りがあると思いましたので投稿させていただきます。

議論の途中に、「日本にいるアメリカ軍を攻撃されたらそれを助ける行為は集団的自衛権である」との主旨の部分ですが、日本政府の公式見解では、「我が国におけるアメリカ軍への攻撃は自国への攻撃と見なすべきであり、それに対する反撃は個別的自衛権による」とというものです。
ヤフー知恵袋にもあるので載せておきます。http://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q11130692066

ポイントは、集団で自衛してるから集団的的自衛権を行使していることにはならないということです。言葉というのは紛らわしいもので、並べてある語のイメージから、想起される概念に変化を起こします。

そのため現時点での集団的的自衛権についての、正確な定義を踏まえられた方が、議論の混乱がなくてよいと思われます。もちろん、今後、集団的自衛権の定義に変更があれば、筆者のような解釈も可能かと思われます。

私自身の立場としては、今後、集団的自衛権の行使も可能になるような憲法への改憲があれば、それはそれで構わないと思います。改憲への説得力のある説明を政府には望みたいとおもいます。


■Re: それは個別的自衛権です。 [岡田真理]

ご指摘ありがとうございます。

> 議論の途中に、「日本にいるアメリカ軍を攻撃されたらそれを助ける行為は集団的自衛権である」との主旨の部分ですが、日本政府の公式見解では、「我が国におけるアメリカ軍への攻撃は自国への攻撃と見なすべきであり、それに対する反撃は個別的自衛権による」とというものです。
> ヤフー知恵袋にもあるので載せておきます。http://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q11130692066

ご指摘のとおり、
「日本の国土に存在する米軍(在日米軍基地など)を攻撃された場合は、個別的自衛権」
なのですが、
「公海上にある米軍艦艇を攻撃された場合は、集団的自衛権」(新三要件に基づく武力行使)
です。

文中では「日本海」という紛らわしい書き方をしてしまい、申し訳ありません。
ご指摘を頂いて「公海」と書くべきだったと反省しています。
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プロフィール

okadamari

Author:okadamari

>>質問大募集!!







岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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