■災害派遣時の自衛官の食事

熊本地震で被害に遭われた皆さまにお見舞いを申し上げるとともに、犠牲となられた方々のご冥福をお祈り致します。
また救助、復旧、支援活動にご尽力されている国や自治体、警察、消防、海保、自衛隊、米軍などのみなさまも、どうぞお体にお気をつけてご安全、ご無事の活動をよろしくお願い申し上げます。

福岡出身の私にも、たくさんの方々よりご心配のお声を頂きました。
お気遣い頂きましてありがとうございます。
私の実家は福岡でも北部に近いので大丈夫なのですが、熊本・大分の親戚や知人からは被災状況の連絡も入っています。

そんな中、ちょっと感じたことを。
(すみません。水を差すようなこと言います)

ネット上では、
「災害派遣中の自衛官は、温かいごはんを被災者に渡し、自分たちは隠れて冷たい缶詰を食べている。素晴らしい」
といった記事や投稿をよく目にします。

その通りだと思います。

でも、このことを素晴らしいと「言い過ぎて」しまうと、自衛隊だけでなく国や自治体、警察、消防、海保、米軍など「支援をする側」のみなさんが、ちゃんとしたごはんを食べにくくなっちゃうんじゃないかなーと少し心配しています。

これら組織のみなさんは、ただでさえ批判を受けやすい現状があります。
批判を受けやすい立場だと、それを防ぐ行動をしがちです。

でも、支援をする側のみなさんも、ちゃんとしたごはんを食べなければなりません。
体を壊してしまったら支援どころではないですから。

以前、自衛隊の海難救助部隊を取材したのですが、隊員のみなさんは「どんな状況でも、自らが生き抜く」ことを重視されていました。

「自らを犠牲にしても、人命を救助する」という精神はとても素晴らしいと思います。
でも、「救助する側」が命を落としてしまっては、「救助」そのものができなくなってしまいます。
だから、隊員のみなさんは「どんな状況でも、自らが生き抜く」ことを重視されていました。

同様に、災害時に支援をする側の方々も、「支援をできる体力」がなければ「支援」そのものができなくなってしまいます。
「自らを犠牲にしても、被災者のために」という精神論だけでは、体が持ちません。
東日本大震災でも、偏った食事による自衛官の体調不良が問題になったことがありました。

でも、被災者のことを思えば、そうはいかないこともあります。
発災直後の物資が行き渡りにくい時期はなおさらです。
だから、災害派遣中の自衛官は「自分たちよりもまず被災者へ」という純粋な気持ちから、「温かいごはんを被災者に渡し、自分たちは隠れて冷たい缶詰を食べている」という行動を取っています。

また、悲しいことですが「人の目の影響」も存在します。

過去の災害派遣では、自衛官が「人の目がある」場所で缶詰を食べていたら、それを「自衛隊はサボっている」とか、「食事が足りてない被災者がいるのにけしからん」と批判する報道がありました。

これは、文化的な面もあるかもしれません。
アメリカの警察官は制服のまま街中でハンバーガーを食べたりしますが、日本の場合、警察官の同様のシーンは見かけません。
(警察官が住民と顔見知りだったりする地域だと見かけたりしますが)

「公的な人の食事」は、災害時でなくても「隠すべきもの」といった文化があるのかもしれません。

でも、支援する公的な人にも「支援をするための、体を壊さないための食事」が必要です。
支援中の多忙さを考えれば、「わざわざ隠れた場所に行く」のではなく、どこでも食事ができた方が支援もよりスムーズに進みます。

自衛官などの公的な人の行動に対して、「あれを言うな」「これを言うな」というつもりはありません。
ただ「被災者のために」「被災地のために」を第一に考えれば、「被災者のために」「被災地のために」ならない風潮は少しでもなくなるといいなーと思っています。


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■コメント

■Re:災害派遣時の自衛官の食事 [とある後の辻]

 岡田さんの意見はいつも勉強になります。私も全くその通りだと思っていました。
 日本だと「犠牲的奉仕精神」が美徳とされてしまうところがあると常々思っておりました。“我を捨てて周囲のために尽くす”というのは、うまくいけば「プロジェ○トX」的な美談となるのですが、まかり間違うと「一億総玉砕」、「特攻隊」的な破壊の精神につながる怖さがあります。
(私は「特攻隊」は命令に殉じた将兵は敬うべきと思っていますが、命令を下した将校は恥ずべきと考えます。在郷軍人会や国防婦人会も)
同じような話で、「自衛隊を尖閣諸島に常駐させろ」とか、「自衛隊による竹島奪回」というのをネット上でみかけますが、それらは勇ましい言葉だけの、逆に自衛官の命を軽んじた言葉だと思っています。
 自衛隊/官(だけに限らず消防隊や警察、公務員やインフラ関連職員全般も)が100%の力を発揮するためには、それをバックアップしてあげられるだけの最大限のインフラが整っていることが前提であり、そこは「不謹慎」とか簡単に言わず、おおらかな目で“見守る”ことが必要なのではないでしょうか。
 でも一通り終わった後は、逆に客観的に分析し、「自衛隊はよくやったから批判するなんてナンセンス」ではなく、反省すべきところは反省し、教訓を次に生かす(装備を整える。組織を改編する)ことは必須です。
 5年経った今も、相変わらず東日本大震災での自衛隊の活動を評論するのを良しとしない声も見受けられますが、その反省と教訓を次に生かすことができなければ、また同じ轍を踏むでしょう。
 その無条件での賞賛は、裏返すと東京電力の社員に言われなき中傷をしたり、もっといえば在日朝鮮人・中国人というだけで十把一絡げに差別するのと表裏一体のような気がするのです。
 話が脱線してしまい、申し訳ございません。もし問題があるのであれば、非公開、削除して頂いて構いません。失礼いたしました。




■Re:災害派遣時の自衛官の食事 [無責任一代男]

阪神大震災の時にこういう人たちがいるのを見てきた大阪の放送局連中が被災者の食事横取りしたのを自慢したり、列に並ばず横入りして給油した事を自慢話にしたり、傍若無人を繰り返している。
やってはいけない事を目の前で見てきた放送局がそれ以上の事を何故するのか。

■ [吉田松陰]

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

■Re:災害派遣時の自衛官の食事 [マダム・つっち~に]

たとえ 不条理な中でも 冷静に判断、行動できる人たちはいます。その行動力や理念に感謝いたします。 そしてわたくしたちもそれらの助力になるべく、日々の精進を重ねたいと思います
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岡田真理・著
(文藝春秋社)


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志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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