■予備自衛官の「技能」

オフ会にご応募頂きましたみなさま、ありがとうございます。
まだなんのご連絡もしておらずすみません。
近々メール致しますのでしばらくお待ちくださいませm(_ _)m

さて、また懲りずに予備自衛官、予備自衛官補のお話です。
「懲りずに」というか、今回は「これは絶対にお知らせせねば」と。

予備自衛官補を受験するとき、「一般」か「技能」かどちらで受けるのかをまず選択します。
なにかの資格とかを持ってたら「技能」で。
持ってなかったら「一般」で。
で、なにも持ってない私は「一般」で受けました。

予備自衛官補に「技能」で受験できる資格は、昨年までは以下のものでした。

・衛生(医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師……などなど)
・語学(英語、ロシア語、中国語、韓国語)
・整備(自動車整備士)
・情報処理(エンジニア、アドミニストレータ、情報処理技術者……などなど)
・通信(無線通信士、工事担任者……などなど)
・電気(電気主任技術者)
・建設(建築士、測量士……などなど)

予備自衛官補制度ができて10年ちょい、少しずつ技能の種別は拡大されてきましたが、これまでは上記の資格が「技能」の該当でした。

……が!
今年度の募集から新たにどどーんと以下が追加されました。

・衛生の臨床心理士
・語学のアラビア語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語
・建設の建設機械施工技士、建築施工管理技士……などなど
・放射線管理の放射線取扱主任者
・法務の弁護士、司法書士

これね、意外と知られてないんですよ。
私も最近まで知りませんでしたから。
「え? 語学ってそんなたくさん増えたの? え? 弁護士も?」って。
こんだけ予備自だ予備自補だ言ってる私が知らなかったんですから。
もし知ってたら「おー俺受けたかったー!」って人、いるんじゃないかなぁ。

(技能の種別の細かいところは防衛省の予備自衛官制度HPの募集要項を見てください。ありすぎて書ききれません)

でね。
お知らせしたいのはこれだけじゃなくて。

予備自衛官補に技能で入って、予備自衛官になると、階級や運用はその技能に応じたものになります。
私のような一般だと、予備自衛官になると2士からスタートするんですが、英語ペラペラの人だったら予備自衛官になった時点で3曹とか。
お医者さんだったら2佐とか。
(経験年数によって階級はちょいと違うそうです)

で、運用面でも、英語ぺらぺらの人は米軍との訓練に通訳要員で参加したり、災害派遣でもお医者さんは衛生要員として参加したり。
技能の人はその「腕」で自衛隊に貢献する分、階級や運用は一般とは違ったものになります。
(技能も一般も一緒にやる訓練もあります)

で、これまでは、この「技能」は、予備自衛官補を受験する時点でのものが反映されていました。
予備自衛官に医師として任官してる人は、予備自衛官補を「医師」の技能で受験してる人のみで。

例えば、予備自衛官補を一般で受験した私が、その後予備自衛官になって、なんだかえらいやる気が芽生えて医師になったとしても、「医師」の技能で予備自衛官に任官することはできませんでした。
医師としての階級や運用を望むなら、いったん予備自衛官を退職して、今度は予備自衛官補を技能で受験しなきゃダメで。

……だったんですが、こちらも今年度から制度が変わって、予備自衛官を退職せずに、申請するだけでその技能に応じた任用をされることになりました。

分かりにくいでしょうか、この説明。

ではもいっちょ例え。

あるところに大学生のAくんがいました。
Aくんは「大学生のうちに予備自衛官になりたい」と思い、予備自衛官補を受験しました。
学生で資格などはなにも持っていなかったので、「一般」で受験しました。
そして合格し、予備自衛官補の訓練を修了しました。
晴れて予備自衛官になったAくん。
階級は2士です。
大学で勉強をがんばりながら、でも予備自衛官の訓練にもちゃんと毎年出頭。
……と大学を卒業したAくん。
日ごろの勉強が実を結び、司法試験に合格。
弁護士になりました。

……と、この場合、以前だとAくんは
・陸士のまま(いずれ3曹になりますが)予備自衛官に任用を継続
・いったん予備自衛官を退職して、予備自衛官補を「弁護士」技能でもう一度受験、そして予備自衛官補の訓練を修了→弁護士として予備自衛官に任官
のどちらかを選ばないといけなかったんです。

それが今では、「僕、弁護士になりました」と申請すれば、予備自衛官を退職しなくても、任用を継続したまま階級が1尉になって、弁護士としての運用をされるようになりました。
(こちらも階級は経験年数によって変わります)

これね、すごい画期的なことなんですよ。
私の知ってるだけでも「退職→もっかい受験」が2人いますから。
予備自衛官になった後に資格取って、予備自衛官補を受験し直した人が。
(うち一人は、資格取って技能で予備自衛官補を受けるために予備自衛官を退職したのに、肝心な予備自衛官補の試験に何年も落ち続けてたり……今年やっと受かりましたが)

予備自衛官補制度も発足から10年以上が経ちました。
自衛隊にとってより良い運用ができるように、より活用ができるように、いろいろな整備がされています。
知名度も少しずつ上がって、志願者もたくさん増えました。

あとは世間の、社会の知名度。
予備自衛官が訓練や実働で出頭できるようにするには、やはり企業など社会の協力が欠かせません。

どうしたら上がるんかなぁ。この知名度。
「国防に協力しよう」って意思は、社会一般的にはそんな低いもんじゃないと思うんですが。
「なんで予備自衛官が自衛隊に必要なのか」ってとこからなんだろうな。
「なんで予備自衛官が国防に必要なのか」っていう。

知名度がんばれ。


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■コメント

■Re:予備自衛官の「技能」 []

自衛隊といろいろとコネをお持ちでらっしゃる岡田さんの仰ることですからもちろん充分な根拠がおありだとは思いますが、どうも素直に受け止め難いものがあります。

今回の岡田さんのお出しになった例は「一般」→「技能」の例ですが、それが可能なら「技能」→「他の技能」もありのはず。
それどころか、「新たに取得した資格」に限定する必要もないので、単に「他にも資格を持っているのでそちらに変えてください」もありのはず。

しかも、もしそうなら予備自補を採用する段階で定員を定める必要がなくなってしまいます。
岡田さんのお知り合いの例のように苦労して技能の予備自補に受かるよりも、取り敢えず入り易いところから入って、入ってから「実は私は(別に)資格を持っています」と異動すればよくなります。

どうも素直に受け止めていいのか悩んでしまいます。。

■Re:予備自衛官の「技能」 [岡田真理]

説明不足ですみません。。

「技能」→「他の技能」ですが、もし2つの技能を持っている場合は、両方の技能で運用されるけど、基本的には上位の技能(階級が上の技能)での運用+階級になるそうです。

もし整備の技能で予備自補→予備自になった人が弁護士の資格も持ってたとしたら、申請すれば階級は弁護士のものになって、運用も基本的には弁護士として……という感じで。

でも確かに定員はその通りですよね。
まだ今は技能公募予備自の人数も少ないですし、合格しても退職する人の存在とかを考えると、ごく少数の技能の変更者も誤差の範囲内なのかもしれません。
(……とこれは私の勝手な予想です)

どこが入りやすいのかは分かりませんが、確か私が受験した頃は、技能よりも一般の方が競争率高かったんですよ。
倍以上の違いがあったような。
まあ、「競争率=難易度」ではないので、だからといって技能の方が入りやすいというわけでもないと思いますが。

今後また制度の変更もあるかもしれませんので、志願される方は現在の制度をうまく活用してください!

■必ずしも [けいたろう]

資格を所持していても、必ずしも当該資格に該当する職種、階級に指定されるとは限りません。
と、地連からの書類にありました。

これはかなり昔から問題視されていたものです。
例を挙げれば、とある隊員が一任期終了後
除隊し、一念発起医学部合格。医師になり、数年後予備自衛官を志願すると、士長に指定される。自衛官経験が一年以上あるので、予備補は駄目。
同じ医師経験がある一般人が予備補を志願すると、いきなり一尉、三佐に指定。
おかしいのでは?と言う声が増えたため、今回の方針転換に至ったのではないでしょうか。

私自身も、万年士長でしたが、医療資格所持してるので予備補であれば陸曹のはずでした。(やっと三曹昇進しましたが)

■Re:予備自衛官の「技能」 []

早速ご丁寧なレスを頂き、ありがとうございました。

私も今回の制度の改正によって、予備自補/予備自制度がより魅力的なものになり、より知名度が上がり、より予備自補/予備自制度への理解が深まることを願い、信じています。

もし今回の制度改正の更なる情報が入りましたら、またシェアをしてください。
ありがとうございました。

■Re:予備自衛官の「技能」 [岡田真理]

>けいたろうさん
そのあたり、またオフ会でいろいろお話しましょう!

■画期的ですね [岡谷継一郎]

岡田様、いつも楽しく拝読(拝見?インターネット閲覧はどちらになるのでしょうか?)させていただいております。

質問ですが、「司法」区分で弁護士ではなくて司法書士なら階級は何処位に指定されるのでしょうか?

ちなみに私は昨年「技能-建設」(1建機)で合格し、今年から訓練に出頭する者です。

予備とはいえども、階級が少しでも上であると自身の励みにもなりますし、責任感も増すと思うのです。
(もちろん現状でも訓練に向けて意気は高いのですが…
受験した時点では「受かれば良し」だったのがだんだん欲が出てきました。)

愚問ではございますが、岡田様のお時間の都合のよろしい時で結構ですので宜しくお願い申し上げます。

暑い気候の折ですので、お体に気をつけてお仕事頑張ってください。

■岡田さんではありませんが [けいたろう]

区分は法務としかありませんから、正確には何とも言えませんが、職種で法務は幹部でしか聞いたことありません(陸曹でも法務いるよってご存知の常備の方、訂正願います)。
医師や歯科医師、薬剤師は大学六年かかるものですし、今回新設された臨床心理士も院卒なので、弁護士に関しては幹部採用間違いないでしょう。司法書士は・・・
幹部ではなく陸曹の可能性も・・・

幹部採用でも、経験が短期なら、曹長採用なので、資格取得イコール幹部にはなりません。
歯科医師・薬剤師では免許取り立てでは曹長採用です。

■ありがとうございます [岡谷継一郎]

けいたろう様、早々にありがとうございます。

経験が浅いと幹部採用でもいきなり幹部にはならないのですね。

いざ災害発生時には「建設」よりも「法務」のほうがお役に立てるのかなと考えておりました。
しかし所詮は素人。海千山千の法務経験者の横で、私は現場では役に立たないでしょう。

欲が出てきたらいろんな事を思い巡らせてしまいました。
本質を見失ってしまう前に本職の腕を磨いていこうと思います。

■いえいえ [けいたろう]

向上心はいつでも持っていたいですね。
私も万年士長だったので、臨床心理士とって幹部にジャンプ!なんて考えてました。
一応、医療従事者としてステップアップになるし・・・という言い訳もありますが。
仕事しながら資格取得は困難を極めますが、チャレンジすることは無意味ではないと思います。

■Re:予備自衛官の「技能」 [岡田真理]

>岡谷継一郎様

お返事遅くなりましてすみません。

司法書士だと、実務経験が35年以上で2佐、16年以上で3佐、9年以上で1尉、5年以上で2尉、1年以上で3尉、1年未満で曹長、だそうです。

詳しくは

予備自衛官の任免等細部取扱いに関する達
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/f_fd/1970/fy19710324_00021_009.pdf

をご覧ください!

■Re:予備自衛官の「技能」 [岡谷継一郎]

岡田様、お忙しい中ありがとうございます。
「予備自衛官の任免等細部取扱いに関する達」
を見てみると、知りたいことがよく分かり大変助かりました。
1級職では一曹になるようですね。

遅くなりましたが、今年からの新人であります。
分からない事が出てきたら、その都度諸先輩方に色々とお聞きすると思います。

岡田様を始め先輩の皆様、よろしくお願い申し上げます。


■Re:予備自衛官の「技能」 [M]

岡田さんには英検とか資格を取って曹以上になろうというお気持ちはありませんか? そうなったらまた違った世界が見えてきそうな気がしますが。
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(文藝春秋社)


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志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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