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■救難飛行艇

辛坊さんら2人を救助 海上自衛隊の救難飛行艇
http://www.asahi.com/national/update/0621/TKY201306210312.html

話題なので、乗っかって私もUSのお話を。

辛坊さんを救助した飛行機はUS-2。
機の種類は「救難飛行艇」です。
救難飛行艇にはUS-1というのもあります。

飛行艇といわれてもなんのこっちゃピンとこない方は、『紅の豚』を思い出してください。
陸上での離着陸はもちろん、水上での離着水もできる飛行機、「飛行艇」。
胴体が船みたいになってて、やけにお腹がぽっこりしたかわいい飛行機。

で、海上自衛隊では、この飛行艇を救難機として使っています。
洋上で遭難した人を救助する救難飛行艇。

洋上での救難には、ヘリも行きます。
艦艇も行きます。
どちらも、洋上の救難に大活躍しています。

でも、それぞれに難点が。
ヘリは機動性に優れていますが、航続距離はそれほどありません。
艦艇は長距離を航行できますが、時間がかかってしまいます。

そこで救難飛行艇。
飛行機の持つ航続距離、そしてスピード。
さらには洋上に離着水できるという大きなメリットが。
今回の辛抱さんの事故のような、遠隔の洋上で一分一秒を争う緊急時には、救難飛行艇のUS-1、US-2が飛びます。
で、近くに着水して救助。

US-1、US-2は本来、自衛隊の任務ための救難飛行艇です。
任務中に海で遭難してしまった航空機のクルーなんかを救助する目的で。
航空戦闘なんかではどうしても……ね。
あって欲しくないですが。

で、その救難技術を活かして、「災害派遣」にも参加しています。
今回の辛抱さん救助も「災害派遣」として行われました。
震災とか台風とかのイメージが強い災害派遣ですが、こうやって日々自衛隊の災害派遣は行われています。

災害派遣といえば、一番件数の多いのが「急患輸送」。
離島なんかで急患が発生すると、ヘリや飛行機が離島まで飛んで、急患をピックアップして大きな病院に運びます。
(細かく言うと、飛行場まで自衛隊が運んで、そこからは救急車で……がほとんどです)

そしてUS-1、US-2も、急患輸送で大活躍しています。
今回の辛抱さん救助では厚木基地からUS-2が飛び立ちましたが、同じく厚木基地から離島にも飛んでて。

飛行機が離着陸できる滑走路のある島だったら、普通の飛行機でも行けます。
その設備がなければヘリで。

でも、父島、母島なんかには飛行機が離着陸できる滑走路がなく、でもヘリで飛ぶには遠すぎて。
で、US-1、US-2が飛んでって、島の湾内に着水。
そのまま船のように島に向かって、斜面をとことこと車輪で登って上陸。
で、急患をピックアップして再び湾内に降りて、洋上を離陸……じゃなくて離水して、羽田空港へ。

もーほんとすごい機ですよね。
滑走路のないはるか沖の島でも、飛行機と船の利点を活かしたやり方で島に上陸して。

US-1、US-2だけじゃなく、オスプレイが自衛隊にあったら……航続距離もあって滑走路なくても離着陸できるオスプレイが自衛隊にあったら、こういう急患輸送とか震災とかでももっとたくさんの人を救えるんじゃないかなーと思うんですが。
もちろん、国防任務の面でも。
海上では飛行艇も活躍できますが、やはりいろんな場所での機動性という面ではヘリの方が優れているとこが多いですし。
(オスプレイは「ヘリ」ではないですが)

ちょうど先日、US-1のパイロットさんにインタビューをする機会がありました。
滑走路で離着陸する普通の飛行機とは違って、波や風に左右される洋上での離着水は本当に難しいんだそうです。
このパイロットさんは飛行艇歴7年なんですが、「まだ納得のいくレベルまでいってません」とのことでした。

すんごい優秀なパイロットさんなんですけどね。
飛行艇は本当に難しいから、めっちゃ腕がないと乗れなくて、航空学生(海自・空自のパイロットになるための学生)でも、同期の中でUSに乗れるのはひとりとかそのくらいだそうで。

辛抱さん救助でも、最初に行ったUS-2はあまりの海の荒れようで着水を断念しました。
めっちゃすげー腕のパイロットさんでも断念せざるを得ない条件。
ほんとうに海はえらいことになってたんだろうなーと思います。

でも、無理して着水しようとしたら二次災害が起きちゃいますしね。
せっかく辛抱さんたちを見つけたのに、救助を諦めなきゃいけなかったパイロットさんやクルーのみなさん、さぞかし悔しかったろうなーと思います。

でもその後、海が少し落ち着いてくれたのか、二機目のUS-2は無事に着水、そして救助。
本当に良かったです。
クルーのみなさま、本当にお疲れさまでした。

US-1、US-2は、岩国基地の所属です。
パイロットさんたちもみんな岩国勤務で。
でも、こういう事故に備えて、厚木でも機とともに待機に就いています。
待機の期間が終わったら、また岩国に帰って別の機・クルーと交代。
常に万が一に備えてて。

今、この時間も、US-1、US-2クルーの待機任務のみなさんは、待機室にいらっしゃいます。
いつも本当にありがとうございます。


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■コメント

■Re:救難飛行艇 [現役航空自衛官(昭和47年生れ)]

岡田真理さん、こんにちはです。
救難飛行艇は、新明和工業が作っていますが、そのノウハウは、大東亜戦争のときに川西航空機が製作した二式大艇の技術があるのです。
このことは、あまり知られていません。
現在、大型の飛行艇を製作しているメーカーは、少ないです。
US-2にしても東南アジアの方からも購入の話が入っていると聞きます。
日本の物造りの技術だと思います。
US-1、US-2は、実物をまだ見たことがありません。
近くで見たいですね。
川西航空機が製作した現存する唯一の二式大艇は、海自の鹿屋基地に展示されています。
鹿屋に行く前は、お台場の船の科学館に展示されていました。
どうして、二式大艇が船の科学館に展示されていたか知っていますか。
B&G財団の笹川会長が私費を投じて、スクラップになる運命の最後の二式大艇を引き取ったのです。
「戸締り用心、火の用心」のCMに高見山と一緒に出ている人ですよ。
覚えていますかね。

飛行艇はこの我が島国の大事な命綱ではないでしょうか。
海自だけが持つのではなく、海保にも導入してほしいものですね。
Emily(二式大艇の連合国コードネーム)に会いたくなったら、海自の鹿屋基地を訪れて見てください。

物造りの技術は、伝えられることが大切なことだと思います。

US-2の搭乗員の方、この場を借りてお疲れ様でしたといいたいです。

■US-2は [通行人]

US-2は、飛行艇ではなく水陸両用艇というのが正しいと思います。
離水もできますが、基本はランディングギヤで滑走路から飛行します。だから厚木なんです。

自衛隊にしろ、東京消防庁にしろ、海上保安庁にしろ、小笠原へ本土から直行できるのは、US-1/US-2のみであるという事実は未だに揺るぎません。硫黄島でヘリから固定翼に乗換える方法はありますが、当然の事ながら時間がかかります。

小笠原からの緊急輸送は、羽田でもいいですが、羽田は混んでいるので、融通の効く厚木に降ろしてもよいのではないでしょうか? 厚木基地周辺住民も緊急輸送任務までダメとは言わないと思います。

US-2に重機や擲弾銃等の固定装備をつければ、海賊制圧用の武器には最適ではないかと思いますです。
M2重機を2~4丁、40mm機関砲を1~2丁、擲弾銃を2丁程度装備すれば、海賊対処には十分だと思います。
(擲弾は海自仕様で、40mm機関砲までは海保仕様かな?)

RPG-7の射程外かつ、AK-47の射程外から、圧倒的火力で海賊の征討が可能です。

基本的に海や空の武器は、海賊対処に使うには、強力すぎるのでこの程度で十分だと思います。

ボフォースを一発喰うか、擲弾を一発喰えば 海賊船は大破を免れないでしょう。





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プロフィール

okadamari

Author:okadamari

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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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