■CSRとしての予備自衛官雇用

さて、先週のコラムでは予備自衛官を志願する本人の利点(?)を書きましたが、今回は企業側の利点を。
というか、予備自衛官を雇用する企業のみなさまへのお願いです。

予備自補入隊試験前のこの時期になると、「試験対策」とは別に、志願者たちを悩ませることがあります。
それは、学業や仕事との両立問題。

かなりの競争率を突破し、晴れて予備自衛官補に、そして予備自衛官になれたとしても、新たな問題が沸き上がります。

訓練の日程捻出。

予備自補(一般)では3年のうちに50日間(5日間×10回)、予備自補(技能)では2年のうちに10日間(5日間×2回)、そして予備自衛官になれば1年に5日間の訓練招集に応じなければなりません。

こーれーが、また大変で。

みなさんの会社はどうでしょうか。
「○日から○日まで、5日間お休みください!」とさらっと言える環境でしょうか。
「はいどうぞ」と上司がポンとハンコを突いてくれる会社もあると思いますし、なかなかそうはいかない会社もたくさんあるのでは……と思います。

予備自補も予備自衛官も、続けて行く中でなにが大変かってここなんです。
「会社が許してくれなくて……」で泣く泣く辞めちゃう人、結構多いんです。

ましてやこれが訓練じゃなくて実働招集ならなおさら。
「いざ志願! おひとりさま自衛隊」の文庫版スペシャルでも書きましたが、東日本大震災の災害派遣招集も、仕事の関係で応じられなかった人、たくさんいたんです。

もちろん、企業側の事情もよく分かります。
給料出して雇ってる以上、他の従業員とは違う、ある意味の「優遇」をすることはできません。
ちゃんと働いてもらわないと、企業の業績、ひいては全従業員の生活にも響いてくることになってしまいます。

そこで、予備自衛官の雇用を、ややこしいものとしてでなく、プラスに変えてみませんか? という提案です。
「予備自衛官の雇用」を「CSR」として利用してみませんか?

今、CSRに取り組んでいる企業はたくさんあります。
ボランティア活動だったり、障害者雇用だったり、エコ推進だったり、地産地消だったり、地域支援だったり、ほんとに多種多様の取り組みがあります。

そこにおひとつ、「予備自衛官の雇用」なんていかがでしょう?

以前は自衛隊という組織に対するいろんな意見や考えなどちょいとごちゃごちゃしたものがありましたが、今は「国、そして国民の生命と財産を守る」という自衛隊を否定する人はごく少数です。

1年前の資料ですが、平成24年1月に行われた「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」
http://www8.cao.go.jp/survey/h23/h23-bouei/
によると、自衛隊に対して「良い印象を持っている」と答えた人は91.7%、「悪い印象を持っている」と答えた人は5.3%。

今はまだ、「予備自衛官」という存在が広く一般的に認知されているとはちょっと言い難い状態ですが、予備自衛官がなんのために存在しているかを説明すれば、上記の自衛隊に対して良い印象を持っている91.7%の人は、「予備自衛官を雇用していることは、社会に対して意義のあることだ」と理解してもらえると思います。

ぜひ、CSRとして、予備自衛官を積極的に雇用してください。
(もちろん、予備自衛官以前にその企業で働ける知識や技能というものは大前提ですが)

もし従業員が、「予備自衛官に志願したい。訓練に行きたい」と言ったら、ぜひバックアップしてあげてください。
そしてそれをCSRとして大いに世間にアピールしてください。

企業の予備自衛官雇用がCSRとして浸透すれば、予備自補・予備自の学生さんも訓練に出頭しやすい環境が整うのではと思います。

予備自衛官雇用に興味がある企業さん、ぜひ地域の自衛隊地方協力本部にご相談を。

……と以前ある方にお話したら
「そんなこと自衛隊に言ったら、『まずは自衛隊を知れ!』とかって体験入隊させられるんじゃないの? やだよ怖いよ」
と言われたんですが、そんなことはないですから。
というか、企業の新人教育などで利用されている自衛隊の体験入隊、今は希望が多すぎてなかなか受け入れられない状況です。
「やって欲しい」という人がたくさんいるのにやれてない状態で、自衛隊の側から無理矢理「やれ」なんて言いませんから。

「予備自衛官雇用とかそのCSRとか興味はないわけじゃないけど、まだそんなに具体的に考えてないし、自衛隊に相談持ちかけるのはちょっとなぁ……」
という企業さん、だったらぜひ私にお声掛けを。
「こんな感じですよ~」というお話だったら、私からさせて頂きます!

なんだったら、会社案内とかの予備自衛官CSRの文章も書きますよ。
「自衛隊ライター」みたいな印象を持たれがちな岡田真理ですが、以前から企業さんの会社案内とかリクルートブックとかのお仕事もたくさんやらせてもらってます。
ぜひぜひご指名を……ってなんでこの流れで私が営業してんだ。

予備自衛官の人数が少ないのでなかなか見かけないかもしれませんが、CSRとして予備自衛官を雇用している企業さんも実際にたくさんあるんですよ。
ぜひぜひ御一考を。

そして、ひとりでも多くの予備自補・予備自衛官が訓練をやりとげられるよう、なにとぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

(このコラムを書く直前に、陸自のCRF(中央即応集団)の司令部が朝霞駐屯地からキャンプ座間に移転したという原稿を書いてて何度も何度も「CRF」という単語を打ってたたせいで、何度か「CSR」を「CRF」と書いてしまいました。全部チェックして書き直したはずなんですが……大丈夫でしょうか)


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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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