■「現代日本で徴兵制はあり得ない」がピンとこない人への解説

■「現代日本で徴兵制はあり得ない」がピンとこない人への解説

私には女友達がたくさんいます。
あ、いや「私、友達が多いの!」と自慢するほど多いのかどうかはアレですが、ありがたいことにいい友人がたくさんいて、毎日楽しく過ごしています。

で、昨年の安保法案騒動以来、この友人たちにも「徴兵制になるの?」と聞かれることがちょくちょくあります。
友人にはママさんが多いですし、テレビとかで「徴兵ガー!!」っていうのを聞いてると、やっぱり不安になっちゃいますよね。

でも、友人たちは国防とか軍事に詳しくありません。
子育てに追われてて、勉強に本腰を入れるヒマもありません。
なので、「近くまで来たからお茶しない?」なんてときに、「徴兵って……」と聞かれることがちょくちょくあります。
友人たちにとって、私は「自衛隊のことはこいつに聞けばいい」という存在になってるようで。

なので私も彼女たちに分かりやすいようにあれこれ説明します。
昔と今とじゃミリタリーの装備が違うこと、国防のための制度も、国民の意識もまったく違うこと……などなど。
「今は兵器もハイテク化されてるから、もし戦争が起こって今の日本で徴兵やんなきゃな事態になったら、その前に日本が大負けで戦争終わるってるよ」と。
「日本がまず戦争に巻き込まれないようにどうしたらいいかを考えるべきだと思うよ」と。

以前書いた

徴兵されないか不安なみなさんへ。
http://okadamari.blog112.fc2.com/blog-entry-254.html

【質問】大戦中の日本や現代の他国のように、今の日本が徴兵をすることはないの?
http://okadamari.blog112.fc2.com/blog-entry-255.html

【質問】いわゆる「経済的徴兵制」。~経済的理由で自衛官になること
http://okadamari.blog112.fc2.com/blog-entry-256.html

あたりの話をしています。

で、彼女たちから「あー、なるほどね!安心したよ」と言ってもらえることもあるんですが、「うーん。言ってることは理解できるんだけど、いまいちピンとこないんだよねぇ」と言われることもあります。

「もうちょっとさあ、私にもピンとくるように説明してよ」
「えーと、じゃあさ。消防ってあるじゃん」
「うん、消防ね。分かる」
「消防はさ、火事になったとき119番したら火を消しに来てくれるじゃん」
「うんうん」
「うちらはさ、『火事になったら消防が来てくれる』って信用してるから、119番するじゃん」
「うん、する」
「なのにさ、『消防は火を消しに来るとは限らない。来るには来るかもしれないけど、来たら火事の火で焼き芋を始めるかもしれない。だから消防は信用できない!』って言ってる人がいたらおかしくない?」
「なにそれ。ありえないじゃん」
「でしょ?それと同じで、今日本は徴兵なんかやらないって言ってるのよ。志願制じゃないと日本を守れないから。なのに『そんなこと言って徴兵するんでしょ?!信用できない!』って言うのってさ……」
「うーん。分からなくもないんだけど、焼き芋じゃピンとこない」

だよね……。
焼き芋はさすがに無理があるよね……。

なので、図を書いて、こう説明してみました。

「まずさ、日本の『国を守る』ってのは、ここ200年くらいだとこういう歴史なのよ。あ、江戸時代までの『国』は『日本』って意識とはちょっと違うとこもあるんだけど……まあ、『自分たちを守る』ってことね」

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「うん。これくらいは私も知ってる」
「でしょ?で、それぞれの時代がどういう装備かっつーと、こんな感じ」

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「なるほどね。どんどんハイテクになってるワケね」
「黒電話が携帯になって、んでスマホになって……みたいな感じ」
「うん、分かる」
「で、旧軍の時代は徴兵制があったけど、今の自衛隊は完全志願制で」
「この『武士の時代』の『チョンマゲ』ってのはなによ?」
「まあ、待て。んで今、『戦争になったら徴兵制になる!』と心配してる人がいる、と」

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「うんうん、で?」
「でも、徴兵制って70年前の旧軍の時代の話なのよ。それを今言うのって……」

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「あー、ここでチョンマゲ」
「そう。今のこの時代に、『徴兵制になる!』って70年前の装備も制度もまったく違う時代にあったことを心配するのは、戦争末期のたくさんの人が徴兵されて戦地に行ってた時代に、『兵隊になったらチョンマゲにされる!』って当時から見て70年前の装備も制度もまったく違う時代にあったことを心配するようなもんだと思うのよね」
「なるほどね~」
「戦争末期、『うちの子は兵隊になるからチョンマゲ結わなきゃ!かぶとをかぶるんだからチョンマゲにしなきゃ!』ってお母さんはさすがにいなかったと思う……」
「だよね。うん、これはピンときた!そうか~70年前って結構前なんだね。戦争中の70年前がチョンマゲなのか~。これはピンときたよ!」

……というワケで、ピンときてもらえました。

ひょっとしたら、読者のみなさんやご友人の中にも、これでピンとくる方がいらっしゃるかもしれないので、お知らせします。


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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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