■ジャパンミリタリー

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■ジャパンミリタリー

先週の
アメリカの自衛隊
http://okadamari.blog112.fc2.com/blog-entry-281.html
の続きです。

本コラムですが、ちょっと前からBLOGOSさんに転載されています。

あ、もちろんBLOGOS編集部より転載のご依頼を頂いて、私が承諾して、ですよ。
確か安保法制関連のことを書いて炎上した頃かな……そのくらいの時期にご依頼があり、以降、岡田真理のほじくりコラムをBLOGOSでも掲載して頂いています。

といっても毎週必ずではなく、一部のみです。
カープだももクロだわーい!……あたりは転載なしで、BLOGOSさんに相応しい記事のみを掲載して頂いています。

さて、先週の「アメリカの自衛隊」には、本コラム、BLOGOSにたくさんのコメントをありがとうございました。

読者のみなさんはどんなご意見なんだろう?と興味津津だったのですが、私と同意見の方がいらっしゃってとても嬉しかったです。
あ、同意見でない方も多様なご意見をお聞かせ頂けてとても嬉しいです。
いつもありがとうございます。

あと余談ですが、Twitterで「アメリカの自衛隊」を検索すると、「在日米海軍司令部」と「アメリカ第7艦隊」のアカウントがトップに出てきました。
米軍のことを「アメリカの自衛隊」なんて斬新過ぎるこというのは先週書いた彼女だけだと思ってたんですが……Twitter、おまえもか。
いやまあ、検索ですからね。
というか、在日米海軍司令部もアメリカ第7艦隊も「アメリカの自衛隊」というより「日本の米軍」ですが。
まあいいや。

さて、先週から持ち越してた本題。
「自衛隊という名前を軍に変えるべきかどうか」の私の考え。

結論からいうと、
・「自衛隊」という名前や「1佐、3尉」とかの階級呼称は今のままでもいいんじゃないかな~、別に変えてもいいけど
・でも、英語表記は変えたほうがいいんじゃないかな~
です。
(拙著「いざ志願!おひとりさま自衛隊」をご愛読くださっている方には「あれ?なんかちょっと意見変わった?」と……もしお気づきの方がいらっしゃいましたら鋭いです。ありがとうございます)

では、まず英語表記から。

自衛隊という組織は、対外的なものです。
日本国内だけで完結するのではなく、国外に向き合う組織です。
ので、名前も「対外的」を考慮する必要があると考えています。

例えば、私は日本国内だと、「私は岡田真理と申します」とご挨拶します。
でも、海外(特に英語圏)では「I’m MARI OKADA」とご挨拶します。
「オカダマリ」ですが、「マリオカダ」と名乗ります。

これは言うまでもなく、お相手の文化に合わせるからです。
相手に「ファーストネームがマリで、セカンドネームがオカダだ」と理解して欲しいから、このように名乗ります。

一方、自衛隊。
日本国内では「自衛隊」です。
そして海外では「Japan Self-Defence Forces」です。
「Jieitai」と言ってもなんのこっちゃサッパリなので、「Japan Self-Defence Forces」と名乗っています。

しかしこの「Japan Self-Defence Forces」という言葉。
日本側の気持ちとしては「自国を自衛する組織」とご理解頂きたいのですが、残念ながら他国では「自組織を自衛する組織」と受け取られることが多々あります。
「Japan Self-Defence Forces以外はなんも守りませ~ん。国民なんてしったこっちゃないし、海外の災害援助に行っても被災者のことなんて助けませ~ん。Japan Self-Defence Forcesだけを守る組織、それがJapan Self-Defence Forcesです」みたいに誤解されることが多々あります。

ので、海外では「なにその組織?なんのためにあるの?」と不思議がられ、「えーと、まあ言うなれば『ジャパンミリタリー』です」と説明すると、「ああ、そうなんだ。変な名前だね」と……このやり取り、海外派遣経験のある自衛官の間では結構なあるあるネタです。

あと、海外派遣経験のある自衛官では「『Japan Self-Defence Forces』と書いた名刺を渡したら『??……えーと、日本の警備会社の方ですか?』と返ってきた」というのも結構なあるあるネタです。

要は、自衛隊というものがサッパリ伝わらない表記なんです。
「Japan Self-Defence Forces」って。

もちろん、「Japan Self-Defence Forces」というものがなんなのかという知識を持っていらしゃる海外の方(自衛隊に関わりのある軍人さんとか、政府関係者とか)には「Japan Self-Defence Forcesです」で、すんなり伝わります。
正式な場では「Japan Self-Defence Forces」、もしくは略称の「JSDF」と言ってもらえています。

でも、そういう一部の場を除いては「ジャパンミリタリー」や「ジャパンアーミー(ネイビー、エアフォース)」と言われることがほとんどです。
カンボジアやハイチ、フィリピンなどで自衛隊が災害援助活動をしたときも、市民のみなさまはフツーに「ジャパンミリタリー」「ジャパンアーミー」と呼んでいました。
誰も「Japan Self-Defence Forces」とか「JSDF」とか呼んでくれません。

たぶん、被災者のみなさんは援助してたのが「Japan Self-Defence Forces」って知らないんじゃないかなぁ。
「ジャパンミリタリーが来た」としか思ってないんじゃないかと……。

以前、私がジブチに滞在していたときも、現地のみなさま(ジブチ人や在ジブチの外国人)は軍人さんも民間人も全員、自衛隊のことを「ジャパンミリタリー」と呼び、自衛官のことを「ジャパニーズソルジャー」と呼んでいました。
「Japan Self-Defence Forces」や「JSDF」と呼んでいた人はひとりもいませんでした。
(少なくとも私の見聞きする範囲では)

なので私も、ジブチでは現地のみなさまと同様に自衛隊を「ジャパンミリタリー」と呼び、自衛官のことを「ジャパニーズソルジャー」と呼んでいました。
一度だけ、「伝わるのかな?」と思って某国軍人さんから「ジャパンミリタリー」と言われたときに「うん、JSDFね」と返してみたことがあるんですが、「ん?……あ、ああ」的な反応だったのでもうそれからはご面倒をお掛けするだけだと思い「JSDF」という言葉を封印しました。
当時私は憲法違反的なことを犯してたことになっちゃうんでしょうか。

まあ、「Self-Defence Force」なんて名前の組織は自衛隊以外世界中どこにもないですからね。
しょうがないといえばしょうがないんですけど。
「いや、ミリタリーじゃなくてSelf-Defence Forceなんです。自国を自衛する組織なんです」っていくら説明しても「だからそれが『ミリタリー』だろ?」って言われて終いですから。
世界的には「自国を守る組織=ミリタリー」なので。
「Jieitai」が「Mottainai」くらいに認知度上がればまた別かもしれませんが……まあ、あり得ないですよね。

結論。
「Japan Self-Defence Forces」は通じないし、自衛隊がどういう組織か分かってもらえない。
通じないのも、分かってもらえずに混乱させるのも、世界のみなさんに大変失礼。
だから「自衛隊」の英語表記「Japan Self-Defence Forces」は変えた方がいい!

変更案としては、

自衛隊:Japan Military(もしくはJapan Armed Forces)
陸上自衛隊:Japan Army
海上自衛隊:Japan Navy
航空自衛隊:Japan Air Force

がいいと思います。
「いいと思います」というか、ただの世界標準ですが。

自衛隊は、英語で「Japan Military」と表記されることを望みます。
でも、だからと言って、世界のMilitaryと同じ法律を持って同じことをしなきゃいけないわけではありません。
Japan MilitaryにはJapan Militaryの法律があり、文化があり、任務があります。
自衛隊がどんな法を持つのか、どんな任務を帯びるのか、どんな組織にするのかは、これまでもそうしてきたように、英語表記が変わっても同じです。

「Japan Militaryは平和と国民の生命、財産、文化を守ることを任務とした組織です」と、これまでもし続けてきたアピールはそのまま続けて。
「Japan Self-Defence Forces」の言葉でその辺のことがすんなり伝わってくれるのなら別に「Japan Self-Defence Forces」のままでいいんでしょうけど……伝わってもないし警備会社に間違えられるし、結局は「ジャパンミリタリー」としか言われないですし。
だったら、分かりやすい「Japan Military」の表記で「Japan Militaryとは」を伝えた方が誤解が少ないんじゃないかと。

「Japan Self-Defence Forcesとかワケ分かんないこと言ってるけど、結局はフツーにミリタリーなんでしょ?」
と受け取られるよりも、
「Japan Militaryね。そしてJapan Militaryはこういう組織なのね」
と理解してもらった方が良いんじゃないかと。

では、「自衛隊」の英語表記の流れで、「自衛隊の階級呼称」の英語表記。

旧軍時代は「大佐」「少尉」とかだった階級呼称ですが、現在、自衛隊では「1佐」「3尉」と呼称されています。
が、英語になるとどちらも「Colonel(大佐/1佐)」「Second Lieutenant(少尉/3尉)」なんです。
海軍・海自の場合は「Captain(大佐/1佐)」「Ensign(少尉/3尉)」。
これらの英語表記は、世界の軍隊で使われているものと同じです。

「軍じゃなくて自衛隊だ」ということで英語表記も「Japan MilitaryじゃなくてJapan Self-Defence Forcesだ」となったんですが、階級呼称の場合は「大佐じゃなくて1佐だ」でも英語表記は「ColonelのままColonel」なんです。

ここ変えてたらJapan Self-Defence Forcesどころじゃない大混乱になってただろうなぁ。
Colonelのままゴーした当時の方々、超グッジョブです。
ひょっとしたら「1佐」の英訳の仕様がなかっただけかもしれませんが。
というより、外来の概念である「Colonel」を戦中までは「大佐」と訳してて、戦後は「1佐」と訳してる……といった方が正しいでしょうか。
「訳してる」というか「既存の日本語に当てはめてる」というか。

「自衛隊の英語表記をJapan Self-Defence ForcesからJapan Militaryにしよう」という考えに対し、「軍国主義がうんぬんかんぬん」とか「侵略国家がどうたらこうたら」というご意見がひょっとしたら一部で出るかもしれません。

いやでもね。
1佐はColonelですからね。
明治時代から今もずっとColonelって名乗ってますからね。
ColonelってMilitaryの階級ですからね。
今更「Japan Military」で軍国主義とか侵略国家とか言われてもね。
というかMilitaryを名乗ったら「軍国主義だ侵略国家だ」って、グローバルに大失礼ですからね。
あれ、今私見えない敵と戦ってる?

あと、「Japan Self-Defence Forces」という英語表記の自衛隊ですが、

・陸上自衛隊
・海上自衛隊
・航空自衛隊

は、それぞれ

・Japan Ground Self-Defence Force
・Japan Maritime Self-Defence Force
・Japan Air Self-Defence Force

という英語表記です。

陸海空各自衛隊は、日本をいくつかの区域に分けてそれぞれに管轄する部隊を置いています。
陸上自衛隊の場合は、日本を5つの区域に分けてそれぞれに「方面隊」を置いています。

現在「Japan Army」ではなく「Japan Ground Self-Defence Force」と英語表記している陸上自衛隊ですが、各方面隊

・北部方面隊
・東北方面隊
・東部方面隊
・中部方面隊
・西部方面隊

は、それぞれ

・Northern Army
・North Eastern Army
・Eastern Army
・Middle Army
・Western Army

って英語表記なんですよね。もう既に。

首都・東京を含む関東甲信越地方+静岡の範囲を管轄する東部方面隊がもうずっと「Eastern Army」って表記してるのに、「東部方面隊は軍国主義だ!」なんてご意見、どの団体からも政党からも聞いたことがありません。
北部も東北も中部も西部もしかり。

もういいじゃん、ArmyでもMilitaryでも。
とりあえず英語表記はさ。

んーでも難しいのかなぁ。
もう長年Japan Self-Defence Forcesを名乗ってるし、海外でも自衛隊のことを深く理解してくださってる方にはJapan Self-Defence Forcesと認識されてるし。

いやでもこれまでの60年よりも、これからの数十年、数百年だと思うんですよ。
Japan Self-Defence Forcesをちゃんと認識してくださってる方には大変申し訳ないですが、これからの自衛隊を考えると……。
これからもずーっとずーっと誤解され続けて、「なんだかんだ結局ミリタリーとかアーミーネイビーエアフォースとしか言われない」の状態が続くのはなあ……。

ということで、「自衛隊という名前を軍に変えるべきかどうか」問題、今回は「とりあえずさ、英語表記は変えようよ」の巻でした。

日本語の「自衛隊」(そして階級呼称)については、今回も長くなりましたのでまた次回。

変わらず、みなさまのご意見を頂けるととても嬉しいです。

あと、「自衛隊の英語表記をJapan Self-Defence Forcesから別のに変えるんだったら、Japan Militaryよりこういうのがいいと思うな」って案がございましたら、そちらも教えて頂けると嬉しいです。

よろしくお願いします!


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プロフィール

okadamari

Author:okadamari

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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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