■【質問】大戦中の日本や現代の他国のように、今の日本が徴兵をすることはないの?

■【質問】大戦中の日本や現代の他国のように、今の日本が徴兵をすることはないの?

予め言っておきます。
今回もとっても長いです。

このコラムは毎週金曜日の週1更新ですので、長いな~と感じられた方は一気に読んでしまおうとせずに、「今日はここまでにしとこう。続きは明日にしよう」と1週間かけてちょこちょこお読みください。
「ブログ」という感覚よりも、「本を読む」気分で、一気に読んでしまおうとせずにちょこちょこお読みください。

しおりを挟めなくて申し訳ありませんが。
「ここまで読んだ」という箇所の文章をメモにでも貼り付けておいて、次回はページ内検索なりなんなりで続きをどうぞ。

「いーや、一気に読んでしまいたい!」って方は、涼しい場所でお茶でも飲みながら読んでくださいね。
体調に気を付けながら……って別にこのコラム読むのは激しい運動でもなんでもないんですが。
ま、念のため。

さて、本題。
……に入る前に。

前回の
徴兵されないか不安なみなさんへ。
には、たくさんの反響を頂きましてありがとうございました。

頂いたコメントはすべて読ませて頂きました。
さまざまなご意見、とても参考になりました。
また、応援のメッセージまでくださった方、本当にありがとうございます。
とっても励みになりました。

そしてSNSやブログなどのご意見、ご感想も、すべてとはさすがいきませんが(流れが早いので)、でもできるだけ読むようにしています。

若いみなさんの、徴兵に対する不安が少しでも解消されたら……と思って書いたコラムでしたが、
「安心した」
「安心とまではいかないけど、理解できた」
とたくさんの方がおっしゃってくれて、本当に嬉しいです。

そして不安が解消されなかった方、本当にすみません。
改めて読み直して、不親切な書き方をしてるところも多かったなぁと反省しています。
これじゃ、伝わる人には伝わるけど、そうでない人にはまったくだろうな、と。
不特定多数の方が読むには、雑な書き方でした。

元々、このコラムの読者さんは、自衛隊に関わりのある方、もしくは関わろうとしている方、また自衛隊には関係なく私の出版物などをいくつか読んでくださっている方々が中心でした。
なので、ある程度雑な書き方をしてても、これまではみなさんご理解くださっていたのだと思います。

しかし、前回の「徴兵されないか不安なみなさんへ。」は予想もしていないほどたくさんの方が読んでくださいました。
これまでの読者さん以外の方が、たくさんご訪問くださいました。

なので、
・元々の読者さん
・元々の読者さんと感覚が近い方
・前回コラム文中の「プロにしかできないものがある」を同じように感じておられる方
・「自らの意思」を持つ、持たないで何かをやったことがある、またはそれが想像できる方
・軍事的知識に触れる機会のある方
などは、割とすんなりご理解頂けたのではないかと思います。

しかし、
・文中の「自分で入るか、無理やり入れられるか、その違いにピンと来ない」方
・軍事的知識に触れる機会のない方
などには、不安を解消するには至らない結果となってしまったのでは……と。

はい、すべて言い訳です。
すみません。

本来であれば、元々の読者さんがどうであろうと、どんな方にも伝わるように書くべきでした。
全世界にオープンにされている場に書くのですから、アクセスが多かろうが少なかろうが、そうすべきでした。
「全国的に部数の多い新聞」のように書かなければいけないのに、「マイナーな機関紙」のような書き方をしてしいました。
「徴兵されないか不安なみなさんへ。」なんてタイトルを付けておきながら、本当にお恥ずかしいです。

これまで、元々の読者さんの知識、バックボーンにあぐらをかいてたことに、今更ながら気付きました。
ご指摘くださった方、本当にありがとうございます。

「ここ、もっと詳しく書くべきだったなぁ」という部分を補足したいのですが、次回更新予定のコラムと内容が絡むので、来週また改めて書かせてください。
機会がありましたら、またお読み頂けると嬉しいです。

しかし一点。
私は、いわゆる「論破」をするつもりはありません。
人の考えや意見を排除し、自分の「論」を押し付ける気はありません。
ただ、「私はこう思うよ」と伝えて、少しでも日々を安心したものにして欲しいだけで。

なので、「論破」を期待されている方には申し訳ないのですが、そのご期待に応えることはできません。
ご了承ください。

この1週間、みなさんのご意見を読んで、いろいろなことを感じました。

「徴兵」というものは、日本では過去の大日本帝国軍やそれよりはるか以前の時代、現代では他国の一部でしか行われておらず、「現代の日本で国防を担っている自衛隊」ではその実績はありません。
ので、「自衛隊で徴兵をするのかしないのか」に関しては、過去を学んで現状を認識して、そこから「自分の見解を持つ」、または「見解を持とうとする」しかありません。

みなさん、日本の将来のことを考えているので、いろんな見解があります。
日本の将来のことを本当に真剣に考えているので、さまざまな角度からの多様な見解があります。

そんな多種多様な見解の中でも、「これは全員(日本国民全員かどうかは分かりませんが、とりあえずコメントやSNS、ブログなど、そしてテレビや新聞での報道などを見た中での全員)に共通してるなぁ」と感じたことがありました。

それは
「徴兵はして欲しくない」
ということ。

・徴兵なんかしたら日本の財政が持たない
・徴兵なんかしたら国防がおろそかになる
・徴兵になるようなやり方(法制など)は反対だ
・自身や身の回りの人が徴兵されて欲しくない
・もし徴兵されることになったら日本を守るために協力したいが、できるなら徴兵になるような事態になって欲しくない
・徴兵は反対だしそもそも自衛隊が違憲だ
……と、その方向性はさまざまですが、徴兵という不安を持っている人も持っていない人も、
「徴兵という制度を日本で実行するのは反対」
という意見は全員共通でした。

じゃあやんなきゃ良くね?

……失礼しました。

いや、でも、ココだと思うんですよ。
みんながやりたくないことならやらなきゃいいじゃん。
「徴兵、やる」「徴兵、やらない」と書かれた2本のバナナをどこぞのお猿さんがどっちを選ぶかでそれが決まるんなら話は別ですが、国民に主権があり、選挙が公正に行われる日本で、その国民の全員が「徴兵はして欲しくない」つってんならやんなきゃ良くね?

……という基本を押さえた上で、今回の安保法制。

「今からうどんを食べる。でもうどんは食べない」
これは「ちょっと何言ってるか分かんない」ですが、
「今からお昼ごはんを食べる。でもうどんは食べない」
これは「ああ、そうですか」ですよね。

あ、また岡田さんがワケ分かんないことを言い始めましたがお時間ございましたらどうぞこのままお付き合いください。

今回の安保法制は、これだと思うんです。
集団的自衛権が行使できるようになったからって、やりたくないことまでなんでもかんでもしなきゃいけないワケではありません。

やりたくないことは、しない。
やらないことは、しない。
その上で、日本を守るという目的にかなうことをやる。

私は日本が平和であることを心から望んでいます。
戦争は絶対に起こって欲しくありません。
そのためには、「日本を守る」を確実に実行できるようになって欲しいと思っています。

このあたりの詳しくは、

「反戦」の方法
「国防」の方法
【質問】集団的自衛権について

で書きましたのでお時間ありましたらご覧ください。
改めて書けばいいのにリンク誘導ですみません。
今回また同じこと書き始めると長くなりますし、つーかただでさえ長いので。

あと、前回のコラムでは「自衛官は戦争になったからって辞めないよ。安心して」ということを言いたいがために、戦争だの死ぬだの物騒な単語を並べてしまったためか、「岡田とかいうバカは戦争がしたいのか?なんだこいつは?!」と誤解された方もおられました。
言葉足らずですみません。
あ、「バカ」は誤解ではなくその通りです。

もちろん、私は戦争なんかしたくないです。
戦争なんか行かずに、おうちでビール飲みながらカープ見て応援したり、ももクロちゃん見て踊ってたいです。
でも、そんな幸せな日々を守りたいんですよ、と。
みんなそれぞれの幸せな日々を守るために、日本が平和であるためにはこうしたほうがいいんじゃないの、と。
日本の平和を守るためには、国防はこんな力を持ってた方がいいんじゃないの、自衛隊はこうであった方がいいんじゃないの、と。

このあたりも上記リンクに書いてますので、お時間ございましたらご一読ください。

それから、「あなたは自分が殺されることばかりで、誰かを殺すことを考えていない」というご意見がありましたが、
【質問】 親に入隊を反対されています。
で書いてますので、ご覧ください。
こちらもめっちゃ長文ですが、すみません。

ここにも書けばいいんですけどね。
ほんと長くなっちゃうんで。
それを期待していない読者さんもたくさんいらっしゃいますんで、リンク参照でご了承ください。

ではやっと本題です。


【質問】
現在 徴兵制で成り立ってる国があります。日本国はこのようになることはないのでしょうか?


【回答】
このご質問をくださった方は、一緒にオススメブログをご紹介してくれていました。
ありがとうございます。
ちょっとずつ読んでいます。

前回、私は「現代の戦闘はプロにしかやれない」という面から「徴兵はあり得ない」というお話をしました。

今回は、
・現在、徴兵制を敷いている国があるが、日本はそうならないのか
・日本でも先の大戦では徴兵された人が戦地に行ったが、今後の日本では本当に有り得ないのか
というお話をします。

まずは先の大戦中の徴兵について。

みなさんもご存知のように、先の大戦中には徴兵制度がありました。
今の日本では、国民の義務は
・勤労
・納税
・教育
ですが、当時はこの国民の義務に
・兵役
がありました。

「徴兵令」が定められ、大日本帝国での徴兵制度が始まったのは、1873年、明治6年のことです。

廃藩置県がその2年前の1871年、西南戦争が終結したのが4年後の1877年、というときです。
日本最後の徴兵制度ができたのは、こんな時代なんです。

この徴兵制度は、その後「兵役法」となり、1945年(昭和20年)に廃止されるまで続きました。
先の大戦では、この制度により、徴兵が行われました。

ここ、覚えといてください。
「戦争で軍人が足りなくなったから徴兵制度ができた」
のではなく、
「明治初期の時代背景からできた徴兵制度がそのまま存続しており、そして大戦中もこの制度により徴兵された」
んです。

余談ですが、明治生まれのうちのおじいちゃんも徴兵されました。
おじいちゃんは学校の先生をしていましたが、日中戦争で招集が掛かり、大陸に渡りました。
幸運なことに生きて帰ってくることができ、その後おばあちゃんと結婚、うちの父が生まれました。
もしおじいちゃんが戦死していたら、私はもちろん、父も生まれていませんでした。

戦地から帰ってきたおじいちゃんは、おばあちゃんと結婚後も、常に枕元に木剣を置いていたそうです。
そしてネズミがカサッとちょっと物音を立てただけでも飛び起き、木剣を手に周囲を警戒していたそうです。
「戦争でよっぽど怖い思いをしたんやろうね」と、おばあちゃんが気の毒そうに話してくれました。

日本に帰ってからも、戦争が終わってからも、常に当時の恐怖心が消えなかったおじいちゃん。
おじいちゃんは随分前に亡くなってしまいましたが、せめて晩年は少しでも心安らかなときを過ごせていたことを祈ります。

現在、徴兵を心配されている方のご意見を読むと、
「日本もまた戦争になったら、自衛隊に人が足りなくなる。そしたら先の大戦のときのように徴兵が行われる」
と不安を持たれているようです。

では、シミュレーションしてみましょう。

日本が戦争をすることになりました。
自衛隊は任務失敗を重ね、自衛官がどんどん戦死し、また生きている自衛官も続々と辞め、自衛隊に志願する人もいなくなりました。
自衛隊に人が足りなくなったので、「徴兵制を敷こう」と言う人が出ました。
政府は、徴兵制の検討を始めました。
そして徴兵制が導入され、若者が徴兵されることになりました。

不安を持たれている方の予想では、だいたいこんな感じでしょうか。

では、この「日本が戦争をすることになりました」から「そして徴兵制が導入され、若者が徴兵されることになりました」までどのくらいの期間がかかるでしょう。

断言します。
その間に、戦争、終わってます。
現代の戦争では、徴兵が実現するまでの年数が掛からずに終了です。
自衛官が足りなくなるような戦況になれば、徴兵が実現する前に、日本がボッコボコにされるという結末を迎えて戦争が終わってます。
日本がボッコボコになる前に、うまく終結できればいいのですが。

それは、なぜなのか。

それでは、「徴兵が実現するまでの期間」を見ていきましょう。
まずは、「徴兵制度を作る」ところから。

比較のために、今回の安保関連法案の流れをおさらいします。
民主党政権時、衆議院本会議で安倍首相(当時は首相ではなく自民党総裁)が「集団的自衛権の行使を可能とすることによって、日米同盟はより対等となり、強化される」と代表質問したのが、2012年10月です。
この頃から、新聞やテレビ、ネットで「集団的自衛権は可か否か」と論争が巻き起こり始めました。
その後、同年12月の総選挙で政権は自民党に。
安保関連法案が衆議院を通過したのは、2015年7月16日です。

「強行採決」とも言われた衆議院通過に辿りつくのでさえ、これだけの年月が掛かっています。
こんだけ国全体で賛成反対わーわー言い合ってても、衆議院通過までにこれだけの年月が掛かっています。
さらに徴兵制は、全員(日本国民全員かどうかは分かりませんが、とりあえずコメントやSNS、ブログなど以下略)が「反対!!」と言っていて、賛成意見はとんと見当たりません。
徴兵にはものすごいお金がかかりますし、その予算もひねり出さなくてはいけません。
戦争で既に大金が使われてるのに、さらに徴兵のお金も用意しなければなりません。
増税しなきゃその予算が賄えないとなれば、その法案も通さなくてはいけません。
制度ができあがるまでに、一体何年かかるやら。

……と考えると、日本で徴兵制が敷かれる前に、とっくに戦争が終わっています。

もし仮に、国民世論が「徴兵制やろう!そのためなら増税だってOK!」となり、徴兵制が実現可能となる状況が作られたとします。
すると、自衛隊もそのための体制を取らなくてはいけません。

まず、徴兵された人が訓練する場所、寝泊まりする場所を作りましょう。
自衛官が既にたくさん戦死していても、たくさんの人が辞めていても、今ある駐屯地や基地では到底足りません。
ベテラン自衛官の不足を補うのに、未経験者を一から戦闘員として養成するのですから、同時期に大量の人を教育・訓練しなければならず、そのための場所を確保しなくてはなりません。
戦争を継続しながらなので、今ある駐屯地や基地は後方支援に使うため、新たに駐屯地や基地を作らなくてはなりません。
新隊員の教育には、それ相応の施設が必要です。
野っ原さえあればいいってもんじゃありません。
現代の戦闘をできる人材を育成するには、それ相応の設備も必要です。

まず土地を探します。
国民世論が徴兵大賛成でも、みんな戦争でピリピリしてるので「基地建設反対!」という運動が展開されるかもしれません。
適切な土地を見つけるのは至難の業です。
でも、なんとか可能な場所を見つけます。
土地の所有者との交渉も必要です。
交渉して、話がまとまれば買収や借り上げの段取りをし、整地します。
そして建物を作ります。
建設業者の入札をします。
入札が終わって業者が決まって、やっとこさ建設開始です。
この際もう簡単な建物で我慢してもらうとして、いやでも耐震はどうするんだ?
せっかく徴兵したのに地震が起きて戦地に行く前に人的被害が出たら目も当てられないぞ?
耐震はちゃんとしましょう。
そして訓練用の建物、寝る場所だけじゃなく、医務室も食堂もお風呂も必要です。
医療機器やキッチン、入浴設備……また業者の入札です。
いや、ここは建設業者から医療機器からなにから全部、どこかの商社なりに一括してもらうことにして入札は一度で済ませましょう。
時間がないですから。
こうして、がんばって徴兵のための場所を作ります。

そして、被服や銃などの武器、訓練用の装備品も必要です。
既にある被服や武器は戦争で消費してますので、新しく作らなくてはいけません。
訓練用の装備品も、徴兵された人が大量なため追加がたくさん必要です。
被服も銃も装備品も自衛隊では作ってません。
民間企業に委託して作ってもらっています。
となると企業は24時間フル稼働です。
大忙しです。
ただでさえ戦争で不足した物品を作るのに大忙しだったのに、さらに大忙しになります。
たくさんの人を新たに雇用しないといけなくなります。
そのための募集、採用も必要です。
武器の詳細を敵国にバラされりしたら大変ですから、スパイが入りこまないように誰を採用するかしっかりと見極めなくてはなりません。
人事も大忙しです。
でもどうにかがんばってもらいましょう。
こうして、被服や武器や装備品が揃えられます。

そして、徴兵された人の教育・訓練には、教育・訓練する側の人材(先生的な隊員)も必要です。
先生的な隊員はそれ相応の能力を持った自衛官にしかできません。
いやでもたくさん戦死したり辞めちゃってるのか。
さらに戦地に行く自衛官もいるだろうし、後方支援の隊員も必要だし、その上で教育する側の人材……どこにいるのそんな人?
でもなんとかがんばってもらいましょう。
そして、先生的な隊員に、「徴兵された人をどうやって教育・訓練をするか」の教育・訓練をまずしなくてはいけません。
あ、その前に「徴兵された人をどうやって教育・訓練をするか」のノウハウがないや。
まずはこのノウハウ作りからか。
……もう無理だってこれ!!

読んでて「もうええわ!」ってなったでしょ?
書いてる私も「もうええわ!」ですから。

……と、せっかく徴兵制が実現可能となる状況が作られたとしても、自衛隊側の準備に長い年月がかかります。

何年でできるだろう、これ。
新しい部隊を作るのでも数年かかるからなぁ。
それを戦争やりながらだもんなぁ。

「徴兵は自衛隊の体制的にも無理!」というお話は、以前、
小林よしのり氏にケンカを売ってみる。
で詳しく書いてますのでご参考にどうぞ。
(上の方で「国民の全員(かどうかは分かりませんが、とりあえずコメントやSNS、ブログなど以下略)が徴兵に反対してる」と書きましたが、そういえば小林よしのりさんは賛成でしたね。今はどういうお考えなのか調べてないので分かりませんが)

……というワケで、「戦争になったら徴兵しよう」と思っても、すっげー年数がかかりすぎて、その前に戦争が終わってます。
現代の兵器を使った戦争では、徴兵が実現するまでの年数が掛からずに終了です。
残念ですが、自衛隊が任務失敗を重ねて自衛官がどんどん死ぬなり辞めるなり志願者がいなくなるなりして「日本が徴兵をしなくてはいけない事態」なんてことになった時点でもう日本がボッコボコ決定です。
自衛隊がんばれ。超がんばれ。
(他人事みたいな言い方しちゃいましたが私もがんばります)

過去と現代とで兵器や戦争がどう違うのかは、前回のコメントで詳しく分かりやすく解説してくださっている方がいらっしゃいますので、そちらをご参照ください。
コメントくださった方、ありがとうございます。助かります。

あ、これ別に横着してるワケじゃないですよ。
ほんとにほんとに。
長文回避のためですから。
マジでマジで。

過去と現代とで兵器や戦争がどのくらい違うのか……一応ざっくり言うと、将棋で歩を進めて飛車を滑らせて桂馬が斜めに進んで成金して、自分の王将を守るために防御しつつ相手の王将を奪おうと攻めつつ、両者一進一退の攻防をしていたら、隣の空き地から野球少年のボールが飛び込んできて王将も飛車角も金銀桂馬も歩槍も全滅して将棋盤も破壊……ってくらい次元が違います。

うーん、この説明は分かりにくいな。
軍事のことを知らない人にも分かりやすく……と思ったけど、これは失敗だな。
将棋知らない人には余計になんのこっちゃだろうし。
やっぱ前回のコメントを読んでください。

一方、先の大戦中。
当時は、これらの準備がすべて、既に整っていました。
徴兵に関わるものすべてが、既に揃っていました。
明治6年には制度ができており、そのための予算も作られており、大日本帝国軍も徴兵された人を教育する体制が整っていました。
そして、若い男性は国民の義務「兵役」により訓練を受け、戦争になると該当者が召集され、戦地へ行きました。

また、この徴兵制度があった時代と今とでは、戦争に対する国民の意識や概念も違います。
よく、「国民は戦争に反対していた」「国、軍が勝手に戦争をやった」と言う人がいますが(そのすべてを否定するわけではありませんが)、「日比谷焼打事件」のように「戦争を継続しろ!」と暴動が起きた事実もあります。
「吾輩は猫である」では平穏な日常が描かれていますが、同時代です。

この時代の徴兵制度は、幕末の動乱から明治維新を迎えた時代に作られ、そして日清戦争、日露戦争(日比谷焼打事件)、日中戦争、第二次大戦と戦争が続いていた中に存在していました。
そして、その間、徴兵制度が廃止されることはありませんでした。

今、徴兵制度を作ろうという動きがあるでしょうか。
「徴兵制度を作ろうぜ」って政党があるでしょうか。
「徴兵制度やろう!」って人がもし仮に現れたとき、私たちはそれを受け入れるでしょうか。

日本国民の全員(かどうかは分かりませんが以下略)がそんなものを望んでない今、徴兵制度ができることはありません。
また、万が一戦争になって「自衛官足りないから」って徴兵制度の話が出ても、実現できません。

だから、現代の日本で、徴兵は絶対にあり得ません。
自衛隊は、戦争が起こらないように、また日本の平和を守るために国防任務を欠かしていませんし、また万万が一戦争になっても任務を確実に遂行できるよう、日々訓練を重ねています。
どうぞ、安心してください。

では、遠い遠~い未来はどうでしょうか。
現代ではなく、遠い遠~い未来。
もし、万が一、未来の日本国民の総意が「徴兵大賛成!徴兵やろう!」となったらどうなるでしょうか。

そしたら、徴兵は行われるかもしれません。
「もし、そうなれば」の話ですよ。
「徴兵はして欲しくない」と考える人が日本国民の全員(以下略)である現代とは違って、日本国民の総意として「徴兵大賛成!徴兵やろう!」となれば、そういう法案も可決されるでしょうし、若者も喜んで徴兵されると思います。
(つーか「喜んで徴兵される」んならフツーに自衛隊に志願すりゃあいいじゃんって話ですけど。そんだけ志願者が多ければ徴兵の必要がまずないんですが。まあ、未来の仮定として)

日本国民の総意として「徴兵大賛成!徴兵やろう!」となれば、そのための予算を税金から捻出したりそのために増税することに国民も反対しないでしょうし、自衛隊が国民全員の物である以上、自衛隊の側もすぐにとはいかないでしょうが、時間をかけてそのための体制を作ると思います。

さんざん「徴兵?ない!」と言ってる私ですが、さすがに未来の日本は未来の日本人のものなので、未来の日本人が国民の総意として「徴兵大賛成!徴兵やろう!」なんてことになったらそれはどうにもなりません。
現代の誰にもどうにもできません。

現代で、「徴兵は、永久にこれを放棄する」なんて憲法をがんばって作ってみても、未来の日本人たちが「改正~」つったらそれまでです。
未来の日本人たちが、「戦争は、徴兵して永久にこれをガンガンやる」なんて憲法を作ったらそれまでです。

いくら、時の政府が「戦闘はプロがやるもの!国防が成り立たなくなる!」と言ったとしても、「国防なんてどうでもいい。戦争したい」「俺だってやりたい」「俺も」「俺も」「だったら私も」「ワシもじゃあ~」「僕もでちゅ~」の輪が広がり、「戦闘員となる権利を国民全員に与えろ~!」なんてデモが国会周辺を埋め尽くして、主催者発表ではなく本当にどえらい数の国民がシュプレヒコールを挙げて、それを国民の総意として「おk」つったら政府だって徴兵制度を作らざるを得ないでしょう。

時代の先輩である現代の私たちにできることは、未来の日本人の判断材料として「戦争ってこうだったんだよ」「徴兵ってこういうことだよ」という歴史を伝え残すことくらいです。

……って、あり得ない仮定の話をここまで広げる必要もないんでしょうけど。
さっきも書きましたが、そんなに戦闘員になりたい人がいたら徴兵の必要がないですからね。
「戦闘員になる権利」を欲しい人がそんなにたくさんいるなら、徴兵ではなくて希望者全員が自衛隊に入隊できる制度作った方がまだお金も手間もマシですからね。
費用対効果ダダ下がりですし、国防が大変なことになりますけど。
あ、この仮定の未来人は国防なんてどうでもいいのか。

まあ、そんな仮定の未来のこと言い出したら、「この先大きな隕石が落ちて地球規模でほぼ壊滅状態になって生き残った数人でもっかい原始的な生活から始めて長い年月をかけて社会ができたらまた人類は戦争を始めてそのときは高度な兵器もないから徴兵制になるかもどうしよう」とか心配しなきゃいけなくなっちゃうんですけど。
隕石の心配まで始めたら、自衛隊が「宇宙人が攻めてきたらどう防衛するか」なんて研究を始めなきゃいけなくなっちゃうんですけど。

でもそう考えると、徴兵を「未来永劫絶対にあり得ないもの」に少しでも近づけるには、「徴兵反対!」と私たちがずっと心に留め置くことはしといてもいいかもしれません。
「徴兵される!!みんな徴兵されるよ!!不安不安!!反対反対!!」とわざわざ時間を作って炎天下デモをやる必要はまったくありませんが、みなさんの大事な時間は削らずに、心のどこかに「徴兵は反対だ」と留め置くことはしといてもいいかもしれません。

でも、まあ、遠い未来はね。
考えてもどうにもならないですしね。
兵器も人もどうなってるか分かりませんしね。
これからも、未来もずっと平和であることを願いたいですが。

……と、ここまでは、日本の過去と現代、そして未来(こんな未来嫌ですが)のお話でした。

では、次。
現在、徴兵制を敷いている国について。
(すみません。既に長いですがまだまだ続きます。眠たくなった人は無理せず明日またどうぞ)

世界には、現在も徴兵制度を敷いている国がいくつかあります。

「戦闘はプロがやるもの」「プロにしかやれないもの」なのに、徴兵制度を敷いてる国が現代にもあるのはどういうことなのか。

……これ、あんまはっきり言うのはためらわれるんですよねぇ。
よその国のことですし、失礼になっちゃいけませんし。

そんで、徴兵制度のある国の友人がいるんですよ。
個人的な話ですみませんが。
まあ、そもそも個人的なブログなんですけど。
彼は今母国にいるんですが、このコラム楽しみにしてくれてるみたいなんですよ。
漢字がそこまで得意じゃないので、わざわざ翻訳ソフトで読んでるみたいなんですよ。
……ためらわれるなぁ。

もういいや、はっきり言います。
日本の若いみなさんの不安を取り除くためです。
私が人でなしになることで若いみなさんの安心が得られるならお安い御用です。
もう、はっきりと言います。

「この現代でも徴兵制やってる国は、ムダなことしてるだけ!!」

あーあ、言っちゃった。

あ、でも
「この現代でも徴兵制やってる国は、ムダなことしてるだけ!!(※ただし、戦闘面において)」
です。

日本の過去現在未来の事例でもお話しましたが、徴兵制にはお金がかかります。
国民の同意も必要ですし(民主国家の場合)、軍が徴兵した人を戦闘員に育て上げるための体制も必要です。
そのお金や、制度作り(制度維持)、体制のために費やす時間を、最新鋭の兵器を買ったり作ったり、有能な戦闘員の能力をより伸ばしたり、それらのための研究に使った方が「戦闘」に有利ですよね?
現代の日本から見ると、いろ~んな意味で「ムダ」です。

でも、徴兵制は「戦闘」においてはムダであっても、有益な面もあります。

「自分はこの国の一員なんだ」という国民意識を育てるため。
社会性を身に付けるなどの「教育の一環」として。
「国は国民全員で守るんだ」という文化を捨てないため。
プロの戦闘員とまではいかなくても、「銃の扱い方の基本」とか「格闘の初歩」とか「簡単なサバイバル術」とか「応急救護法」とかを国民全員が習得するため。
軍人(徴兵された兵士ではなく、志願した正規の軍人)を充分に集められない社会的背景があるため、もしくは足りなくなっては絶対にダメな環境(国の制度とか戦時状況とか揃えられる武器の有用性とか)があるため、例えプロの戦闘員とは言えなくてもいいからどんな人でも確保したい。

こういう目的や必要性がある国では、お金や時間を掛けてでも徴兵制を敷くでしょうし、国のために、国民のためにとても有益であると思います。
そして、「戦闘」そのものにおいてはムダであっても、戦争状態になった国では、国民がそういう意識や知識、技能を持っている方が「強い」んじゃないかと思います。
いろんな意味で。

あ、現在徴兵制を敷いている国すべてが、上記と完全に合致するというワケではありません。
あくまでも「徴兵制の有益な面」の一例です。
念のため。

日本でも、災害に備えて「簡単なサバイバル術」とか「応急救護法」とか、あと日常でも「格闘」まではいかなくても「護身術」なんてのはやれるようになっといてもいいかもしれませんね。
まあ、この辺は自衛隊でやんなくても、別の機関や組織で希望者がやればいいでしょうし。
自衛隊にそこまでの余裕はありません。

でも「お米をペットボトルで炊く方法」とかの簡単サバイバル術は自衛隊のイベントで紹介してることがありますんで、興味がありましたら参考にしてください。

国の置かれている状況、歴史や環境、教育、国民の意識などは、国それぞれで違います。
時代に寄っても違います。

ありがたいことに、現代の日本という国は、本当に恵まれています。
島国という環境、そして歴史、言語のおかげで「自分は日本人だ」なんて言われなくても分かってますし、程度の差こそあれみんな日本やこの国に住む人を大事にしています。
義務教育、そして高校や大学でもいろんなことが学べます。
体育の授業もあるし、そのための設備もあるし、部活だって活発です。
学校や会社では、災害に備えた訓練もしています。
戦闘を含めたさまざまな役割を国民みんなで分担し、助け合える社会性もあります。

そのすべてが上手く機能しているかどうかは、まだ改善の余地もあると思いますが、現代の日本以外ではそうはいかないこともたくさんあります。
そういう国では、徴兵って必要なことだったりするんです。
国によっては、学校と徴兵を合わせて「義務教育」のようなシステムを取っていることもあります。
だったら、徴兵制にかかる予算は、日本なら防衛省の管轄になりますが、文科省的な所と分け分けしてるのかもしれません。
ここんとこは調べたことないので分かりません。すみません。

徴兵制のある国には、そのメリットがあります。
でも、「戦闘」そのものを考えると、それは「ムダ」だと私は思います。

あ、ほんと何度も言いますが「ムダ!」は戦闘面の話ですよ。
私が現在徴兵制を敷いてる国のことをどうこう思ってるワケではありませんよ。
徴兵された兵隊さんが立派な戦闘員となられてることもあるかもしれませんし、その兵隊さんをどうこう思ってるワケではありませんよ。

ただ、「戦闘」という面(そのための制度やシステム、掛かる予算などを含め)だけを考えると、現代では「ムダ」だよねって話で。
あくまでも現代の日本的な視点で見ると。
その国にはその国のやり方があるでしょうし、守りたい文化があるでしょうし、それでその国の人たちが幸せに暮らすことができるなら、とても素晴らしいことだと思います。

ちなみに、徴兵制度のある国の友人。
彼も、徴兵(というより、「兵役」と言った方が正しいですね)を経験しています。
兵役時代の話もいろいろ聞かせてくれました。

彼に、そしてその母国に、失礼にならないようにがんばって書きましたが……。
でも、たぶん、彼なら「そうですヨ。私の国には必要なことデスから」と言ってくれると思います……たぶん。
そして、「でも、兵役は人生で一番辛かったけどネ」と人懐っこい笑顔を見せてくれるような気がします……たぶん。

翻訳ソフト、ちゃんと正しく機能してくれてるかなぁ。

友人くん、今度日本に来たときはまた一緒に飲んで歌おうね!
待ってるよ!!

そしてまた余談。

自衛隊と同じように、日本の安全を守っている組織に、警察、消防、海保などがあります。
その中の消防のお話。

みなさんのおうちの近くには、消防署があると思います。
そして、消防署とは別に、地域の「消防団」があると思います。

以前、私は自衛隊の「急患輸送」について取材をしました。
離島や、海上を航行中の船舶などで急患が出た場合、消防や海保がヘリを使って急患を運ぶのですが、天候や航続距離なんかの関係で、自衛隊にその依頼が来ることがあります。
そして、自衛隊がヘリや飛行機で急患を輸送します。
この取材時に書いたコラムもお時間ありましたらぜひご覧ください)

取材では、沖縄県のある離島の村役場の方にお話をお伺いすることができました。
その島は、沖縄本島からとても遠いので、航続距離の長い機を持っている自衛隊が、急患輸送のほぼすべてを担当しています。

その島には、消防署がありません。
高齢化も著しく、地域の有志による消防団もありません。
じゃあ、火事や救急搬送はどうやっているのかというと、村役場の男性職員全員が「消防団員」となり、その役を負っているそうなんです。
役場のお仕事もあるのに、本当にご苦労をされていることと思います。

その島で急患が出ると、消防団員(村役場の男性職員)が救急車を運転し、患者を空港まで搬送します。
そして、自衛隊機に運びます。

さらに、その島の空港には照明設備がありません。
なので、夜間に急患が出ると、消防団員(村役場の男性職員)が滑走路に70個のランタンを並べ、自衛隊機の離着陸ができるようにするそうです。

こうして、この島の住民は守られています。

便利な街で暮らしていると、こういう消防のお仕事はその「プロ」たちに任せることができます。
でも、この離島のように消防署がない場合は、本来はその「プロ」にならなくてもいいはずの人たちが、その「プロ」となり、島民の暮らしを支えています。

消防も、警察も、海保も、そしてその他のどんな職業の人たちも、私たちが暮らすところに「プロ」として存在してくれるのは、本当に恵まれていて、本当にありがたいことなんです。

……と、今回は以上です。
長文お疲れさまでした!

次回以降は、前回のご意見の中にあった

・憲法9条と戦争、武力行使、集団的自衛権
・いわゆる「経済的徴兵制」
・徴兵でも訓練次第で「やる気」を作れるのか
・自衛隊では、誰でも使い物になるよう『洗脳』を行っている?!
・自衛隊の海外派遣
・自衛官が不足した場合、徴兵以外で補うことはできるのか
・本当に、戦争になっても自衛官は辞めず、志願者は存在するのか
・自衛官が辞めず、志願者もいなくならないようにするには?
・予備自衛官は『使い物』になるのか
・戦争を防ぐには、平和であるためには、どうすればいい?

あたりについて、書きたいと思っています。

いやでもなぁ。
カープの話題も溜まってんだよなぁ。
ももクロちゃんのライブも行くしなぁ。
書きたいんだけどなぁ。
前回の話題であんだけアクセス増えるとこんなこと書きにくいなぁ。
いやでも今回は通常に戻るかもしれないしなぁ。
それはそれで悲しいなぁ。

……まあ、ぼちぼち行きます。

私に何か聞きたいことがありましたら、質問大募集!!よりお送りください。
が、申し訳ありません、回答はいつになるかお約束できません。
書くことが山積みなので……。

気長にお待ち頂けると嬉しいです。


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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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