■【質問】予備自衛官(補)手当は妥当な金額?

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■【質問】予備自衛官(補)手当は妥当な金額?

今回は過去のものではなく、先日頂いた新たなご質問です。
ネタ不足解消にご協力ありがとうございます。
他のご質問もまだまだ募集中ですのでなにかありましたらぜひお寄せください。
そしてまだお答えしていないものがありましたら、お手数ですがお知らせください。


【質問】
今年の予備自衛官補に応募する予定でしたが、会社都合で諦めました。次回応募できるといいなー。

予備自衛官補、予備自衛官になるともらえる給料は、岡田さんは高いと思いますか?安いと思いますか?妥当と思いますか?
会社の同僚などは「日給7900円じゃ割に合わない」と言います。岡田さんはどう思いますか?


【回答】
まあ、割りに合わないっちゃあ割りに合わないでしょうね~。
あ、今回は、予備自衛官(予備自衛官補)になって得られる「お金とは別のモノ(心身が鍛えられるとか礼儀が身に付くとか)」はまったく考えずに、単純に訓練を「労働」として考えてみます。

まず、もらえる手当てのおさらい。
予備自衛官補では、「教育訓練招集手当」として、訓練に出頭すると1日7900円が支払われます。
予備自衛官に任官した後は、訓練に出頭すると「訓練招集手当」として1日8100円。
また予備自衛官の場合、これとは別に、「予備自衛官手当」として月に4000円もらえます。
この4000円は、「なんかあったら出頭してね」の待機手当的な意味合いです(と私は理解しています)。

まず予備自衛官補の場合。
「日給7900円」は時間換算一切なく、「1日分」です。
訓練は5日間ワンセットで行われるんですが、その拘束時間は
1日目:朝8時出頭~
2日目:丸一日
3日目:丸一日
4日目:丸一日
5日目:~17時の課業終了ラッパが鳴って離隊するまで
という流れです。
(課業終了ラッパは今は17:15とかでしたっけ?すみません、忘れました)

ので、1日目と2~4日目、5日目で拘束時間は違いますが、しかし手当はどの日も同じく「日給7900円」です。

課業自体は8時~17時、のお昼休み1時間なので、実質8時間。
7900円を8時間で割ると、時給987.5円。
東京だと、今はどんなアルバイトでも時給1000円未満は「だーれがそんなとこ行くか!けっ!」みたいな雰囲気があるので、そう考えると予備自衛官補の手当ては「けっ!」の部類に入りますね。
地方だと「けっ!」と感じる時給はもう少し下がると思うので、地域によっては「予備自衛官補、いいじゃん」となるかもしれません。

しかーし。
「課業自体は8時~17時、のお昼休み1時間」の実質8時間労働とはいえ、実感は16時間労働です。倍です。
朝は6時から起床ラッパでたたき起こされ飛び起きてダッシュしてすぐに点呼、点呼でも「ばんごーう、始め!」「いち!」「に!」「さん!」が上手く出来なきゃ朝っぱらから怒鳴られるし、終わればベッドをきれいに整頓して慌てて朝ごはん、朝ごはんに行くのも隊列組んでいっちに、いっちにでごはんはちゃっちゃとかき込み帰りも隊列組んでいっちに、いっちに、帰れば歯を磨くのもそこそこに身なりを整えて課業前の特別訓練があり、そのまま8時の課業へ突入。

朝からこうですからね。
お昼休みも、17時以降も推して知るべしです。
起床から消灯までの16時間(部隊によっては17時間)、ず~っとこれです。
そして外出禁止の24時間拘束。
これで1日7900円。
安すぎるわ!!!!!
自衛隊ったらとんでもねぇ超ブラック企業!

あと、訓練をする駐屯地が家から遠い人は、前の日から泊まり込むことになります。
が、当然この前泊に手当は出ません。
でも、衣食住は無料です。
とはいえ、飲食店バイトだと賄いが出るのは当たり前だし、「外出禁止!」ってんなら寝る場所も提供するのは当たり前だし、「衣食住がタダ」はブラック返上には及びません。

「日給7900円じゃ割に合わない」とおっしゃる同僚さん、大ピンポンでございます。

ですが、予備自衛官に任官した後の訓練では、ここまで厳しくないです。
「実質8時間」以外にもやることは多々ありますが、ゆっくりできる時間もたくさんあります。
育児や介護などの理由があれば、通いで訓練に出頭することもできるので、24時間拘束も回避可能です。
まあでもなんだかんだバタバタするので通いはよっぽど無理な人しかやりませんが……。
私も駐屯地まで通える距離ですが、どんだけ仕事が立て込んでても5日間泊まり込みますし。

んで、予備自衛官になれば月に4000円もらえますしね。
まあ、この4000円も周りからは「たった4000円?!ガキの小遣いかよ!」って言われますけど。

と、一般的な日本人の感覚だとこうなると思います。
一方これが世界の感覚となると……のご参考になるかどうかは分かりませんが、以前あるフィリピン人の方に「ジャパンのリザーブアーミーはどれだけお金がもらえるの?」と聞かれたことがありました。
ご参考までに、彼はフィリピンの中では大金持ちとはいかないまでも、一般庶民よりはだいぶ稼いでる部類の人です。

「一日訓練に出ると何ドルくらいもらえるの?」
「一日だと80ドルだよ」
「ファッ?!80ドル?!たったそれだけ?!日本はお金持ちの国でしょ?!普通の会社勤めでも何万ドルも稼げるんでしょ?」
「うーん、普通の会社勤めだったら大学出たばかりで年収2~3万ドルかなぁ」
「すごい!さすがジャパン!!それなのにリザーブアーミーは1日たった80ドルなの?!」

と、どえらい驚かれました。
あ、面倒なので1ドル=100円で換算して答えました。

しかし、「あ、でもね。訓練とは別に毎月40ドルが手当としてもらえるよ」と言うと、「毎月40ドルももらえるの?!すごい!さすがジャパン!」と言われました。
彼は最後まで、「なんで毎月40ドルなのに、訓練では1日80ドルなんだ……」と不思議そうでした。

あと、彼には東京の住居費も聞かれましたが、「東京では、このくらいの広さの部屋でこんなキッチンとこんなバストイレがある部屋だと、月の家賃は700~800ドルだ」と答えると、「リアリー?!?!?!トゥーイクスペンシブ!!!」と絶叫していました。
そんな感覚でも、「1日80ドル」は「たったそれだけ?!」のようでした。

結論。
予備自衛官補、予備自衛官手当を労働として考えたときに、割に合うか合わないかといえば、「割に合わない」と思います。
でも、自衛隊や日本の防衛予算などなどを考えると、「まぁ、妥当かなぁ」と思います。
まあ、でも任官は単純に「労働」と呼べるものでもないですからね。

日本には、そんな割に合わない手当で予備自衛官(補)をやってる酔狂な人が、陸海空合わせて約6万人います。
みんな、「割り」とは別のなにかで、そんな酔狂なことをやっています。
我こそはと思われる方、ぜひ酔狂仲間になりましょう!


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プロフィール

okadamari

Author:okadamari

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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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