■【質問】どうすれば自衛隊に合格できるのか?!

■【質問】どうすれば自衛隊に合格できるのか?!

今回は、先週頂いたコメントから派生して、「どうすれば自衛隊に合格できるのか?!」についてです。

【質問】
技能で2回試験を受けましたが、落ちました。年齢制限にきわめて近いと、あまり必要ではないのでしょうか?

【回答】
予備自衛官補も来月に今年度の試験を控えていますが、この時季は自衛隊の各種試験ラッシュです。
そこで出てくるのが、「一体どうやったら受かるのか?」。

ひと昔前には、「自衛隊は名前さえ書ければ受かる」なんて言われた時代がありました。
もちろん、受ける課目にも寄りますが、特に高度経済成長期を経験した世代の方は「自衛隊は受ければ受かる」と思っていらっしゃる方が多いようです。

そして時代は移り、現在はその世代の方々のお子さん世代が自衛隊を受験するようになりました。
が、すこーんと落ちちゃったりするんです。
で、「ウチの子供は自衛隊にすら落ちるようなボンクラなのか?!」とショックを受けられる親御さんが続出していると多方面から聞いています。

えー、とりあえずひとこと言っておきます。
自衛隊、そんな簡単に受かんないですから!
落ちたからってダメな人間とかそんなこと絶対にあり得ないですから!
自衛隊に落ちたからってお子さんを責めるのは絶~~~~~対に止めてください!!
まあそもそも、自衛隊に関わらず、希望が叶わなかったときにその本人を責めるのはどうかと思いますけども。

こういう仕事をしているので、毎年たくさんの方から「自衛隊を受けます!」とご連絡を頂きます。
防大を受けます、幹部候補生学校を受けます、曹候補生を、自衛官候補生を、予備自衛官補を……たくさん、メッセージを頂きます。
みなさん、本当に立派な志を持っておられて、最近の若いモンはすげーなーとおばちゃん感動しきりです。

しかし、結果のご報告は嬉しいものばかりとは限りません。
本当に、本当に合格するのは難しいんだなぁと感じます。

で、この合格する人、しない人。
10年間いろんな人を見てきましたが、私にはその違いがちっとも分かりません。
これはなにも、合格できなかった方に気を遣ってるワケじゃなくて、本当にその基準が分からないんです。

「いざ志願!おひとりさま自衛隊」にも書きましたが、成績が優秀だというわけでもない人が合格していたり、ええ大学を出て地頭も良くて礼儀正しくて部活でも大活躍してたような人が合格できなかったり、「自衛隊?なんだそれ食えんのか旨いのか?」な私が合格してたり……。

ので、以下は「どうすれば自衛隊に合格できるのか」を10年間考え続けたけど「さっぱり分からねー!」な私が、分からないなりにもなんとなーく感じていることとしてお読みください。

まず、ご質問にあった「年齢制限にきわめて近いと……」は「そんなことないでしょ」と思います。
予備自衛官補・技能の場合は、応募資格の年齢上限が52~54歳未満(職歴などによってばらつきがあります)なワケですが、もし採用する側が「うーん、この受験者は50歳か。上限に近いから不合格!」とするのであれば、最初っから応募年齢の上限を「50歳未満」とするはずですから。
試験にだって多くの労力とお金が掛かりますし、だったらハナっから採用しない人は募集すらしないでしょうし。

自衛官候補生の場合、年齢の上限は27歳未満ですが、26歳ギリギリで入隊している方も毎年います。
年齢ギリギリは少数派ですが、これは「ギリギリだから合格しにくい」というよりも、「そもそも受験者が少ない」からだと思います。
26歳で自衛隊を受けるとなると、転職になっちゃいますからね。
高校や大学を卒業してすぐの年齢層に比べると、そりゃ少ないだろうな、と。

予備自衛官補の場合は「転職」ではなく、「副職を持つ」形になりますが(予備自衛官補を「副職」と呼ぶのが正しいのかどうかは分かりませんが)、やはり年齢ギリな人は少なめです。
まーこれはただ単に歳を取ると「今更自衛隊ってのも自信ないなぁ」と考えちゃうからかなーと思います。
私の場合は技能ではなく、年齢上限34歳未満の一般でしたが、入隊当時27歳の私でも、「歳いってる組」でした。
でも、上限ギリで入隊した方も何人か見かけましたよ!

で、本題。
どうすれば自衛隊に合格できるのか。

私は、これまでたくさんの自衛官に接して、自衛隊に合格するかどうかは「適性」によるものが大きいのではと思うようになりました。
成績がいいか悪いか、体力があるかどうか、人格が優れているかどうか、という面ももちろん見られるとは思いますが、それよりもなによりも「適性」が大きいのかなーと。

だったら頷けるんですよね。私の場合も。
筆記試験は数学以外はボロボロで、作文も誤字だらけの上に途中で時間切れ、そして面接でも面接官に「どうぞお座りください」と言われる前にうっかり勝手に座っちゃいましたし、「あ、落ちたな」と自分では終わったことになっていました。
が、まさかの合格、そして一発採用。

募集要項にも書いてありますが、試験には筆記や作文、面接の他に「適性検査」というものがあります。
これは自衛隊だからって特別なものじゃありません。
企業の入社試験でもやっているような、フツーのものです。
簡単な計算問題があったり、あと心理テスト的なものもあったかなー……すみません、詳しくは忘れました。
が、いわゆる、の、よくあるタイプのヤツです。

たぶん、これがでかいんじゃないの?!と思っています。

とはいえ、この適性検査で「自衛隊に適性があると診断されるにはどう解答したらいいか」はサッパリ分かりません。
なんかあるんだろうなー、たぶん。
組織としての行動に向いてるかとか、反社会的な言動をしないとか……いや、分かりませんけど。
とりあえず私は組織としての行動に向いてるかと問われたらめちゃめちゃ自信ないですし。
10年も予備で自衛隊やっときながら、ですが。

まあ、でも私は「自衛隊に適性がある」と判断されたんだと思います。
だって事実、こんなに自衛隊に馴染んじゃってますし。
予備自衛官だけじゃ飽き足らず、仕事でも自衛隊のことばっか書くようになりましたし、そしてその仕事に人生で一番のやりがいを感じてますし、たった10年で自衛隊から講師として呼ばれるまでになっちゃいましたから。
元々適性はあったんでしょうね。

ので、自衛隊の試験に不合格となった方。
「私が落ちたのはなにが原因だったのか?!」と問われれば、「あなたに自衛隊の適性がなかったから」という回答をさせてください。とりあえず今のところは。
決してあなたの人格が否定されるものではありません。
あなたの頭が悪いわけではありません。
礼儀に問題があったわけではありません。
ただ単に、「自衛隊に」適性がなかったからです。
自衛隊に適性がなくても、別の仕事、生き方には適性ガッチリなものもたくさんあります。
ただ単に、「自衛隊に」適性がなかったというそれだけのことです。
あなたの人生にとって、なんのマイナス要素でもありません。

なので、「どうすれば自衛隊に合格できるのか?!」は、「自衛隊の適性があれば合格できる!」です。

じゃあその「適性」を持つにはどうやったらいいのか。
「適性」ですから、その人の生まれ持った物、これまで生きてきて備わった考え方、これまでや現在の環境などなどあらゆるものすべてが関わっていると思います。
それを今更どうこう変えるのはとても難しいと思いますし、おいそれと変えられるものでもないと思います。
ほんと難しいなぁ。

でも、「こんな人になりたい!」という目標を持てば、それに近づくことはできると思います。
実在する憧れの人だったり、自分の中で「こうありたい」という人物だったりを思い描き、その人に近づこうと努力をすれば、そういう適性になってくるんじゃないかと思います。
憧れの人が反社会的な人なのか人格者なのか、憧れの人が勤勉家なのか怠惰的なのか、それによって自分も変わってくるでしょうし。

ので、自分の「適性」を「自衛隊に合格する」という目標に向けたいのであれば、実際に自衛隊に適性があって自衛隊に入隊している「自衛官」を目標とする人物に掲げるというのはいかがでしょうか。

「自衛官」を目標とするには、「自衛官」を知らなければなりません。
彼らと膝を突き合わせてその人物像に迫るのはなかなか難しいかもしれません。
でも、テレビや書籍、雑誌には、たくさんの立派な自衛官が登場していて、彼らの考え方や生き方が描かれています。
あ、「いざ志願!おひとりさま自衛隊」なんて最適だと思いますよ!
月刊MAMORでも自衛官という人間に迫った企画が盛りだくさんですよ!
うーん、結局宣伝になってしまった……。

あ、適性が大事とはいえ、もちろん筆記や面接もできる限り頑張った上で、の話ですよ。
同じレベルの適性の人が複数いれば、筆記や面接がより良かった人が合格するのは当然ですから。

そして、一度自衛隊試験に落ちたからって、決して「じゃあもうダメなんだ」と諦めないでください。
知人には、予備自衛官補・技能に何度も不合格となり(確か5年連続とかそのくらい)、でも見事合格、現在予備自衛官に任官している人もいます。
状況が許されるのであれば、ぜひ何度でも受験してみてください。

1年経って人間が変われば判断される適性も変わるかもしれませんし、競争相手となった受験者が変われば合格・採用も変わるでしょうし。

最後に、毎年言ってますが、面接は元気良く大きな声でハキハキと!
自衛官ってみんな元気良く言葉を発していますよね?
背筋ぴーんと伸びてますよね?
あんな感じです!

面接も自衛官さんが担当します。
全身から「自衛隊に入りたいです!」を伝えて、面接官に「こんな人と仲間になりたいな~」と思わせてくださいね!

みなさんの合格を、心より応援しています!!
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プロフィール

okadamari

Author:okadamari

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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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