■輸送学校&体育学校

■輸送学校&体育学校 その1

朝霞駐屯地の陸上自衛隊輸送学校と、自衛隊体育学校を見学させてもらってきました。

まずは輸送学校から。
輸送学校とは、陸自の輸送科隊員のための教育訓練学校です。
陸上自衛隊職種ランキングでもちらっと書きましたが、陸自には16の職種があります。

そのうちの「輸送科」は、物や人を運ぶことを任務とする職種。
自衛隊がどこへ行ってなにをするにしても、現場ではいろんな物が必要で、必要な物を持ってくには「輸送」しなければなりません。
その「輸送」にまつわるあれやこれやを一手に引き受けているのが輸送科です。

……とか言いながら、私もなんとなーくしか知りませんでした。
これまで、取材でも訓練でも輸送科にはとんとご縁がなかったんですよねー。
というわけで、輸送学校でお勉強してきました。

「輸送」を任務とする、「輸送科」。
んじゃトラックとかに物積んで、運転して……ってのが輸送科のお仕事なのかな? と、これまでやたらざっくりした認識でいたんですが、自衛隊が持ってる物ってトラックに積めるものだけじゃないんです。

例えば戦車。
戦車は自力で走行できますが、そんなにスピードが出ないので高速道路なんかをブンブン走るわけには行きません。
ので、輸送科部隊にある、専用のトレーラーで戦車を運びます。

例えば車。
車も自力で移動できますが、海の向こうに持って行きたいときは車も「物」として運ばなければなりません。
ので、船に載せたり飛行機に積んだりして運びます。
船や飛行機を動かすのは、海上自衛隊、航空自衛隊のお仕事。
「いついつこういう車両を運びたいんでよろしく」と、海自・空自と段取りを組むのも輸送科のお仕事です。
飛行機の大きさによっては、中の広さ的に車の幅がギリギリだったりします。
そんなときには、輸送科隊員が見事なテクニックで、飛行機に車を乗り入れます。

例えばヘリ。
ヘリは自力で飛んで行くこともできますが、外国なんかの長距離は飛べません。
ので、こちらも船や飛行機に積んで運びます。

大きな車両を長距離で運ぶときには、自衛隊内だけでなく、民間企業にお願いするときもあります。
民間の船舶で運んだり、JRの貨物に載せたり。
それらの企業との調整も、輸送科のお仕事です。

さあ、かなりおおざっぱに書きましたがなんとなーく伝わったでしょうか。
要は、トラックとかトレーラーを運転して実際に「運ぶ」作業だけでなく、各組織と連携して「運ぶための段取り」をする作業も、すべて輸送科のお仕事なんですね。

近年、自衛隊は海外でも活動することが増えてきました。
活動すれば、「輸送」が必要になります。
自衛隊の活動の幅が広がると、輸送科のお仕事も幅が広がってきます。
ってなワケで、ここ最近は輸送科大忙しです。

海外で活動するとき、いろいろとやっかいなのが文化の違い。
現場でどう活動するかももちろんですが、「輸送」にもそのやっかいさはついてきます。

日本ではフツーの物であっても、この宗教の国にはこれは持ち込んじゃダメとか、現地はOKだけど経由地ではNGなのでうーん、どう運んだものか……とか。

なので、日本だけでなく、各国の法律のお勉強なんかも必要になってきます。
うわー大変だー。
私には絶対無理だわ。

国内の災害派遣、そして海外の災害やPKO、そして海賊対処のジブチ……ぜーんぶ輸送科が関わっています。
裏方なお仕事なので、なかなか表には出てきませんが。

今後、テレビなんかで自衛隊の活動を目にしたら、輸送科隊員さんたちにも思いを馳せてみてください!

……って偉そうにね、私も見学に行って初めて知ったんですが。
お忙しい中お付き合い頂いた輸送学校のみなさま、本当にありがとうございました!

さて、来週は体育学校です。


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■輸送学校&体育学校 その2

さて、お次は体育学校。
ロンドンオリンピックで2つの金メダル、2つの銅メダルを獲得した選手を輩出した体育学校です。

体育学校は、オリンピック選手がいるところ……と思われがちですが、体育学校の任務はそれだけじゃありません。
「自衛官の体力を維持向上させるための、指導者の育成」という自衛隊にとってとても大きな任務を……ってこれ前に書いたな。たぶん。

ああ、あったあった。
オリンピックと自衛隊体育学校だ。
やっぱ書いてるわ。
もう最近ボケボケであーやだやだ。

「体育学校とは」の詳しくは上記リンクをご覧いただくとして、今回は学校内の施設をうろうろ見学させてもらってきました。
屋内のトレーニングジムに、各競技別の練習場(道場)。

ボクシングの練習場では、実際にリングにも上がらせてもらいました。
ロンドンオリンピックで銅メダルを取った、清水3尉も実際に使っていたリング。
光栄でございます。

ボクシングのリングというものに上がるのが初めてだったんですが、テレビで見るよりずっと狭く感じました。
こんな小っちゃなとこで殴り合いやるのか……怖ぇ……観客がわーわー言う中、こんな狭いとこで殴り合い……怖ぇよ。
んで、リングのマット……という言い方でいいんでしょうか、結構固かったです。
殴られてこんなとこに倒れるって……嫌だ嫌だ絶対嫌だ。

ボクシング、絶対やりたくないスポーツナンバーワンになりました。
まあ、誰も私なんかにやれとか言わないでしょうけど。
体力もそうですが、精神的にもタフなスポーツだなぁ……選手のみなさん、ほんとすごいです。今更ですが。

そしてレスリングの練習場。
ロンドンオリンピックでは小原1尉、米満3尉が金メダル、湯元2尉が銅メダルと大活躍の体育学校レスリング……のマット、こちらも上がらせてもらいました。
うん、こちらはボクシングよりふわふわでした。
安心しました。
そりゃあんな取っ組み合いやるんだもんな。
固かったらケガするわ。

フェンシングの練習場では、選手の方がわざわざ電気(という言い方でいいんでしょうか)をつないでくれて、どうやったら一本(という言い方でいいんでしょうか、いやこれは違う気がする)のランプが付くのかとかを実演してもらい、そしてウエイトリフティングの練習場ではこちらも選手の方から「スナッチとジャークの違い」という初歩にもほどがある競技の説明をしてもらい、いや忙しい選手になにやってもらってんだよ。
プロ選手なんだからもっと聞くことあるだろうと自分でも思うんですが、野球以外のスポーツはからっきし知識がなく、いやほんとすみません。

突然乱入してきた見学者なのに、選手のみなさん親切に応対してくださって、「こんにちは!」「お疲れ様です!」と元気にごあいさつしてくれて、おばちゃんジュースでも差し入れようかとよっぽど思いましたが邪魔だろうからやめときました。

その他にも柔道、射撃、陸上競技などなど見せて頂き……いよいよ一番見たかったところ!!
お馬さん!!!!!

体育学校には、近代五種で使う(使うという言い方はどうなんだ、まあとりあえずすみません)お馬さんたちがいます。
近代五種は、ランニング・射撃・フェンシング・水泳・馬術の総合競技。
なので、馬術用にお馬さんがいます。

厩舎に行くと、穏やかな顔をしたお馬さんたちが出迎えてくれ……でけえ!!!!!
いや、今までも競馬場のパドックとかでサラブレッドを見たことはあるんですけど、こんな間近で見たら……めっちゃでけえ!!!!!

そしてもひとつびっくりしたのが……全く臭くない!!!!!
普通、動物が多数いるところって、どんなに心がけてもやっぱりニオうじゃないですか。
どんなにがんばっても、やっぱり消せない独特の空気が鼻につくじゃないですか。
でも、ここではそれがまったくないんです。

でも、お馬さん一頭一頭の毛並みやお部屋をじろじろ見てたらその理由が分かりました。
すんげー手入れされてるんです。
床はきれいなおがくずが敷き詰められてるし、毛並みはツヤツヤだし、たてがみはきれいに切り揃えられてるし。

ご案内してくださっていた方によると、「馬も選手が手入れして掃除もやってるんですよ」とのこと。
ああ、なるほど。自衛隊クオリティか。
迷彩服にビシィィィっとアイロンかけて、靴をピカピカに磨くあの自衛隊クオリティか。
それを馬にもやると、こんなに臭くないお馬さんと厩舎が出来上がるのか。

お馬さんたちの目を見てたら、「あーこの子たち、めっちゃ愛情たっぷりで選手たちに可愛がられてるんだろうな~」というのが伝わってきます。
前髪(額に下がってるたてがみ)も、お馬さんによってパッツンに切り揃えられてたり、ちょっとワイルド風に眉間だけちょい長めだったり、選手の愛情(と好み)が込められてるんだろうな~と。

どの競技の選手でも、シューズなんかの道具はきちんと手入れをしていると思いますが、馬術や近代五種ではその「道具」にお馬さんも含まれます。
ただでさえトレーニングで忙しいだろうに、道具の手入れに「生き物のお世話」も含まれる競技……大変だなぁ。
でもその分、競技の楽しさもあったりするのかな。

射撃、フェンシング、馬術という日本人にはなかなか馴染みの少ない競技が含まれている近代五種なので、ヨーロッパ勢に比べるとどうしても日本人選手は苦戦を強いられます。
でも、近代五種……すんげー興味が沸いてきました。

東京オリンピックは絶対応援に行こう。
若い世代の運動能力の高い子たちに、近代五種にチャレンジしてもらえたらいいなぁ。
いい選手が入るといいなぁ。
射撃、フェンシング、馬術の経験がなくても、「走れる水泳選手」だと、近代五種の選手になるのに有利なんだそうですよ~。
そこの走るの得意なジュニアスイマー! ぜひ近代五種で東京オリンピック出場を!!

最後に体育学校広報展示室へ。
で、米満3尉の金メダル触らせてもらいました~~!!!

IMG_1548.jpg

ってか先週も今週もちゃんと写真を撮って載せるべきだったなぁと反省しています。
文字だけより、やっぱり写真があったほうが。
唯一撮った写真が「メダルメダル~~~~!!!」ってね。すみません。

過去のオリンピックで体育学校の選手が取ったメダルも展示されてたんですが、ロンドンのがひとまわり大きかったです。
そしてずっしり重く……いや、これほんと重いですよ。
首から下げてたら肩こるよこれマジでってくらい。

最初はひゃーひゃー触ってましたが、この重みは米満3尉がこのメダルを取るために重ねた努力の重み。
おいそれとは触れないなぁ、私なんかが気軽に触っちゃいけないものだよなぁこれって……とか言いながら結局最後までひゃーひゃー触ってたんですけどね。
失礼しました。


プロフィール

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岡田真理・著
(文藝春秋社)


よくわかる自衛隊 (楽しい調べ学習シリーズ)



志方俊之・監修
岡田真理・文
(PHP研究所)



―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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