■ビバ!旧仮名遣い

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■ビバ!旧仮名遣い その1

例外もありますが、仕事の上で使う言葉には、新聞や教科書などで使われる「現代仮名遣い」を正しく使用しなければなりません。

これが、なかなかむずかしいです。

これが、なかなかむづかしいです。

さて、上記2つのうち正しいのはどちらでしょう?

東日本出身の人には簡単な問題かもしれません。
西日本出身者でもきちんとお勉強をしてきた人にとっては簡単な問題かもしれません。
でも私は毎回「どっちだっけ??」と辞書に手を伸ばしてしまいます。
そして「ああ、『むずかしい』だ」と、納得します。
ウソです。納得しません。
たんびフツフツと怒りが沸き起こります。

なんで「む“ず”かしい」なんだ?!
元の言葉は「む“つ”かしい」だろ?!
「鼻血」は「はな」の「ち」だから「はなじ」じゃなくて「はなぢ」なのに、なんで「むずかしい」は「むつかしい」から変化した「むづかしい」じゃないんだ?!
納得いかん!!!

しかし1986年に内閣告示された現代仮名遣いでは「むずかしい」となっているので、私がいくら吠たえたところで「むずかしい」が正解の大ピンポンです。

東日本より西日本出身者のほうが「むずかしい」を「むづかしい」と間違いやすいのは、古来からの「むつかしい」という言葉が方言として現代にも残っているからです。
地域や世代によると思いますが、私も「むつかしい」という言葉を使っていました。
しかし「むつかしい」は標準語ではないということは分かっているので濁点をつけ、そしてうっかり「むづかしい」と書いてしまうわけです。

でも現代仮名遣いでは「むずかしい」なんです。
旧仮名遣いでは「むづかしい」だったのに、お上は「今は“づ”じゃなくて“ず”!!」と言ってきやがるんです。
いくらお上の定めとはいえ納得いかないものは納得いかないんですが、仕事で言葉を使う以上、一般に広く知られている日本語を使わなければなりません。
現代仮名遣いを使わなければいけません。
なので泣く泣く信念を曲げて「むずかしい」と書きます。

ああ……現代仮名遣いめ……。
美しい日本語をむちゃくちゃにしやがって……。


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■ビバ!旧仮名遣い その2

【問題】
次の漢字の読みを、現代仮名遣いのひらがなで書け。
(ヒント:「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」に注意)

1.鼻血
2.世界中
3.地面
4.稲妻
5.融通

-------------------------------------------------
声に出して読むのは簡単ですが、現代仮名遣いで表記するとなるとちょっと迷います。

【答え】
1.はなぢ
2.せかいじゅう
3.じめん
4.いなずま
5.ゆうずう

1の「はなぢ」は納得です。
大納得です。
「はな」から出る「ち」なので「はなぢ」。
大変美しき日本語です。

2の「せかいじゅう」。
はああああああああ????? です。
「世界」→「せかい」の「中」→「ちゅう」だから濁れば「せかいぢゅう」なのになぜ「せかいじゅう」?? はああああああああ????? です。
しかし現代仮名遣いの表記を日常としている21世紀の私たちにおいては、「ぢゅう」という表記を目にするのは「ぼてぢゅう」くらいなので私も「世界中」を「せかいぢゅう」と書き間違うことはありませんが、心意気だけは「せかいぢゅう」として生きていきたいです。

3の「じめん」。
「地」が「ち」なので「ぢめん」と行きたいところですが、この「じ」は「地」を「ち」と読んだものが濁ったわけではありません。

私もかつては「鼻血」が「はなぢ」なのに「地面」はなんで「ぢめん」じゃなくて「じめん」なんだと怒り心頭でしたが、そして今でもなんで「世界中」が「せかいぢゅう」じゃなくて「せかいじゅう」なんだとご立腹ですが、「地」は「ち」が濁ったわけではありません。

「世界中」は「せかい」の「ちゅう」なので、「せかいぢゅう(せかいじゅう)」と濁りますが、「地面」の「地」は語の頭にあるのでそもそも読みが濁りません。

ではなぜ「じ」なのか。
「ち」は「地」の音読みですが、実は「地」には「ち」の他に「じ」という音読みも元々持っているんです。

漢字には音読みと訓読みがあり、そしてその音読みの中にも「呉音」「漢音」「唐音」と呼ばれる読み方があります(ない漢字もあります)。
例えば「京都」の「京」という字。
この音読みは「きょう」「けい」「きん」です。
(「京都(きょうと)」、「京阪(けいはん)」、「南京(なんきん)」など)
で、この「きょう」が呉音、「けい」が漢音、「きん」が唐音です。

あ、なんか話がややこしくなってる。
んでもまあややこしついでに呉音、漢音、唐音について。

「和尚」という言葉。
この読みはなかなか難解ですが、しかし幸いなことに和尚さんが私たちの身近な存在でいてくれてるため、簡単に「おしょう」と読めます。
「和」を「お」と発音するこの読み方。
この「お」が「和」の音読みの唐音なんです。
よく知られている「わ(平和の「わ」)」は呉音。
ちなみに漢音では「か」と読みます。
ので、和尚さんも宗派によっては「おしょう」じゃなく「わじょう」「かしょう」と呼ばれるそうです。

さて、「地」。
この音読みは一般的に「ち」が知られていますがこれは漢音で、実は呉音に「じ」という音読みも持っているわけです。

ので、「地面」の読みは「じめん」ということになります。
ああややこしい。

しかし「地」の音読み呉音の「じ」も旧仮名遣いでは「ぢ」だったという事実を最近知ってしまい、二重三重に腹を立てています。
んんんんんんんんなんか巧妙にだまされてた気分。

個人的には、現代仮名遣いのややこしさの一番の被害者は、この「じめん」という言葉だと思っています。

さて、クイズに戻って4の「いなずま」。
これはかなり納得いきません。
「稲妻」が「いなづま」じゃなくて「いなずま」なら、「妻」単独だと「すま」と読むのか?? 読むんだな?? 現代仮名遣いを考えたやつは読むんだな?? 奥さんを紹介するときは「つまです」じゃなくて「すまです」って言うんだな?? 言えよ!! ぜってー言えよ!! 「いや、『家内です』って言うし~」とかなんとか逃げるんじゃねーぞコラ!!

5の「ゆうずう」。
「融通」が「ゆうづう」じゃなくて「ゆうずう」なら、「通」単独だと「すう」と読むのか?? 読むんだな?? 現代仮名遣いを考えたやつは読むんだな?? 家族でドライブ中に工事現場に出くわして回り道を余儀なくされたときも「あちゃ~、つうこうどめだよ~」じゃなくて「あちゃ~、すうこうどめだよ~」って言うんだな?? 言えよ!! ぜってー言えよ!! あ、うるさいですかそうですかすいません。

「世界中」「稲妻」「融通」に関しては、やはり私のように「はああああああああ?????」と思っている人は少なくないようで、最近では「別に書きたきゃ『せかいぢゅう』でも『いなづま』でも『ゆうづう』でもいいよ」ということになっているようですが、「せかいぢゅう」なんて読みは辞書にすら載ってません。
市民権ゼロ。
グーグルで「せかいぢゅう」と検索すると「もしかして: 世界樹」とアホ扱いされる始末です。
つーか「樹」はどうころんでも「ぢゅ」じゃなくて「じゅ」だろ。
せめて「もしかして: 世界中」と書いてくれ。


■ビバ!旧仮名遣い その3

言葉というものは時代とともに変化していくものだと思います。
「新しい」という言葉も、本来は「あらたしい」だったものが変化して「あたらしい」になったわけで、「新」に「あたら」なんて読みはないわけで、それでも時代を追うごとに「あたらしい」という言葉が市民権を得、ついには「あたらしい」が正式な読みとなったわけで。
言葉というものは、その時代時代によって使いやすいように自然に変化していくものだと思います。

しかし、現代仮名遣いはそうではありません。
人々の間で自然に変化した言葉ではなく、無理やりなされた改定です。
国語をもっと学びやすいように、との方針だったようですが、残念ながら結果は国語を「正しく」学ぼうとする邪魔にしかなってません。
「ややこしいから『ぢ』は使わずに基本『じ』で、『づ』は使わずに『ず』で」とおかしな統一をした結果、余計にややこしくなってしまってます。

というわけで、私は「ビバ!旧仮名遣い」を心情に今後も生きていく所存でございます。
……と宣言したところで、実際に旧仮名遣いを使う場はありませんが。
伝わらないし。
伝えるためのアイテムである言葉を伝わらない方法で書いたんじゃ書くだけムダだし。
まあ、そもそも正しく書けないですし。
こんだけ豪語しといて。
そんなもんです。すいません。

しかし言葉というのは、柔軟性があっておもしろいな~とつくづく思います。つくずく思います。どっちだ?? ほーら現代仮名遣いのバカ。
(正解:つくづく)

前述の「新しい:あらたしい→あたらしい」もそうですが、「さざんか」も元は「さんざか」でした。
漢字で書くと「山茶花」。

こういう自然発生的に生まれる変化は今後も起こるでしょうし、ひょっとしたら「雰囲気」も「ふいんき」が正しい読みとされる時代が後々やってくるかもしれません。
平成23年現在では「雰囲気」を「ふいんき」と読むとアホ扱いされますが。
でもおそらく「新しい」を「あたらしい」と読んでいたフロンティアのみなさんにもアホ扱いされていた時代があったのではと想像します。
まあ私は平成23年現在の大の大人なので「雰囲気」を「ふいんき」とするのにかなりの抵抗がありますが。

後々に「正しい国語」とされることはないと思いますが、自然発生的な言葉の変化という意味では、絵文字もおもしろい現象だと思います。
味気ない電子テキストでもニュアンスを伝えたい、言葉だけでは伝わらないニュアンスを伝えたい、というところから生まれた (^_^) のような記号の集合体から始まった絵文字。
今ではもう感動すら覚えるような絵がテキストで描かれています。

今では手書きのメッセージにも (^o^)/ のような絵が添えられるというような本末転倒っぷりまで見受けられるようになりましたが、手書きだから普通に絵を描けばいいのにあえて電子テキスト用の絵文字を添える、というところに絵文字の市民権獲得さ加減を感じます。

にしこり
というたった4文字で松井秀喜を表現することを考えた人は本当に天才だと思います。
こんな隠れた天才が日本にはたくさんいるんだなぁ。すごいなぁ。
(なぜ「にしこり」が松井秀喜を表現するのか分からない人は「にしこり」をしばらく見つめてみてください。ナゾが解けると思います)

ギャル文字も「自然発生的な言葉の変化」に含まれるかもしれません。
ォ八∋,ヒマナ=”∋。ぁξぼ
とか。
私はギャル文字を全く使わないので、適当にコピペした「ォ八∋,ヒマナ=”∋。ぁξぼ」を判読するのにかなり時間がかかりましたが。
そしてかなり時間がかかっても「分かった!」と思ったときはすごく嬉しかったですが。

ギャル文字に関してはかなり頭がよろしくない印象を受けるので
ォ八∋,ヒマナ=”∋。ぁξぼ
のような表記を見ると個人的にはあんまりいい感じはしないのですが、でも今こうやって使っているひらがなも平安時代のギャル文字だったとも言えるワケで。
今のギャル文字のように、平安貴族の間で「程度が低い」とバカにされてたひらがなもやがて正式な日本語として定着したワケで。
だから私たちはこうやってひらがなを便利に使えてるワケで。
だから同じように未来の日本人が正式な日本語として「ォ八∋,ヒマナ=”∋。ぁξぼ」と書く日が来ないとも限らないワケで。
ねえか。つーかねえ。
まあでもギャル文字だろうが絵文字だろうが、使う「場」をわきまえるというのは大事だと思います。

私もこうやって「現代仮名遣いなんて糞喰らえ!! ビバ!旧仮名遣い!」なんて言っておきながら、国語としては正しくない、接続詞としての「なので」「ので」「で」という言葉をこのブログや自著で多用していますが、さすがにビジネス上の文章には使いません。
本当は「よって」なり「だから」なりの言葉を使うべきなんでしょうけど、「なので」「ので」「で」の方がニュアンスとして伝わりやすいと思っているワケです。
こういうしゃべり口調のぐだぐだブログでは。
↑の「ワケ」をカタカナで書いてみたりというのも同様で。
まあ好みだと思いますけど。

あ、でも書き手のひとりよがりで、読み手には全く好まれてないという可能性も……。
えーと、失礼致しました。


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―岡田真理―
フリーライター。昭和52年生まれ、福岡県香春町出身。同志社大学工学部中退。平成17年、陸上自衛隊予備自衛官補(一般)に志願。50日間の教育訓練を経て、平成19年、予備自衛官に任官。現在も任用継続中。全国の陸海空自衛隊各部隊を取材し、「女子高生にも分かる国防」をモットーに執筆活動を行う。

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